御社の「採用サイト」が見向きもされない理由 企業は「情報」を発信するだけでは届かない
東洋経済オンライン / 2024年11月5日 16時0分
ただ、じゃあどうすればいいのでしょうか? Xで自社の説明をどんどん発信すればいいのでしょうか? 事業内容をnoteにまとめて公開すればいいのでしょうか? それで果たして、読んでもらえるでしょうか?
前述したように、もはや情報を発信するだけでは届きません。世の中が情報だらけだから埋もれてしまうのです。そこでコンテンツ化によって差別化しましょうというのが僕の提案になります。
言ってみれば、コンテンツは「きっかけ」です。ほとんどの企業はコンテンツを生業にしているわけではないと思いますが、コンテンツは武器になりえます。どんな産業であってもコンテンツを武器にすれば、会社の魅力を伝えることは可能なのです。
読まれなければ意味がない。届かなければ意味がない。心が動かないものは、現代において存在しないも同然なのです。まずは存在を知ってもらえなければ魅力を伝えることだってできません。
より多くの人に届く「コンテンツ化」の威力
経営者の思考も「コンテンツ」にすれば、より多くの人に届けられるようになります。
経営者の頭の中には「暗黙知」が詰まっています。個人の経験や直感、言語化できていない知識やスキルなどの暗黙知には、企業を動かし、世の中を変えるような大きな価値があるでしょう。しかし、脳内に留まっていては誰にも伝わりません。そこで必要なのが「言語化」です。言語化、つまり言葉にすれば、まわりの人に伝えることができます。
言語化したものを文章にまとめるなど「情報化」すれば、経営者や会社のことを知っている人たちにも伝わるでしょう。さらに、その情報をコンテンツ化、つまり「何かしら心が動くもの」に加工すれば、業界外の人やこれまで会社を知らなかった人にまで届きます。
これを採用の側面から見てみるとこうなります。
経営者が「こんな人がいたら会社は成長できるのにな」と思っているだけでは暗黙知のままなので誰にも届きません。そこで経営者が考える「こんな人」を言語化します。すると、まわりの10人くらいに届き「社長はそういう人がほしいと考えているんですね」とわかってもらえます。それをきちんと文章に整理してサイトに載せる。すると、関係者やすでにその会社に興味のある人など100人ぐらいが見てくれます。
さらに「こんな人がほしい」という情報にとどまらず「これまでの会社の歴史」「起業したときの思い」「会社が実現させたい未来」などのコンテンツを出します。すると、それまでその会社を知らなかった1000人以上が見にきてくれるようになるという具合です。コンテンツ化にはそれくらいの威力があるのです。
竹村 俊助:WORDS代表取締役
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