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奥行き12m「カステラハウス」工夫満載の快適空間 スペースを開放して近所の人たちの憩いの場に

東洋経済オンライン / 2024年11月6日 14時0分

実際、工務店に延べ床面積50平方メートルのコンパクトな平屋を見積もってもらったが、建物本体だけで1400万円と提示された。

そんなときに見つけたのが、低コストを売りにするコンテナハウスの広告だった。

早速、業者に連絡をしてみると、なんと「頑張れば700万円でできますよ」との返事が。しかもコンテナ2つをL字に配置して、住居スペースと図書館スペースを分けることまでできるらしい。

すっかりその気になったKさんだが、それも束の間の夢。設計後、改めて提示された金額は1300万円、またもや予算オーバーとなってしまった。

実はこういったケースは少なくない。

住宅としてのコンテナハウスはまだ黎明期といってよく、専門店を謳いながら建築の専門知識が足りていない業者も存在する。この業者も住宅転用の経験がなく、普段から手がけている店舗仕様の感覚で、見積もりが甘くなってしまったのだと予想する。

Kさんの場合、運良く別の工務店に出会うことができた。

その工務店の事務所がコンテナハウスだったことから、自社に施工ノウハウがあったことと、形状をシンプルな長方形にしたことで1100万円まで予算を下げることができた(現在なら1500万円はかかるはずだ)。

私も現地で確認したが、とてもしっかりと施工されており、スペースの配分にも無駄がない。コンテナハウスは業者選びが肝心だということがよくわかるお手本のような出来栄えだった。

狭さを感じない一直線12メートルの空間

さて、ここからはコンテナハウスの空間レビューである。まず印象的だったのは、実際の数値より遥かに広く開放的な空間であったことだ。

延床面積はわずか27平方メートル、ワンルームマンション程度の広さなのだが、コンテナだけに縦に長い。さらに奥行きが約6メートル、通称20フィートタイプの海上コンテナを2つ縦につなげた結果、40フィート、つまり12メートルというとてつもない深い奥行きが生まれたのだった。これが功を奏している。

ワンルームだとすれば、食事も調理も寝るのも同じ場所になってしまうのが普通だ。ましてや図書館までとなると、到底そんなスペースは確保できるはずもない。

しかし、幅の制約があるコンテナの特性で、コンパクトな空間においてゾーニング(理想的な間取りを実現するための空間分けのこと)がしやすく、玄関を手前にして奥に向かってトイレ、私設図書館、キッチン、洗面、浴室、寝室&収納と、理想的な配置となっている。

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