出遅れた日本EV「中国技術の活用」で巻き返しへ 電池に車台…「手法」が激変する新車開発の今
東洋経済オンライン / 2024年11月8日 10時30分
マツダは2024年10月26日、長安汽車と共同で開発した新型車「MAZDA EZ-6」を発売し、電気自動車(BEV)タイプとレンジエクステンダーEV(EREV)の2タイプをそろえた。
注目のひとつが価格で、EREVのベーシック版モデルは13.98万元(約300万円)と、地場ブランドと遜色ない水準となっている。
「友達価格だ」と、長安マツダ販売会社の呉旭曦副総経理は、コスパの高い価格設定を強調。さらに、外資系EVの中でトップレベルの智能化(インテリジェント化)もアピールする。
今年に入ってやや減速しているものの、電動化シフトが進む中国でガソリン車ニーズが減少の一途を辿っていることは、周知のとおり。各社とも残存者利益を得るため、値下げ競争を繰り広げている。
そんな中、前述のマツダをはじめ、急進する中国地場メーカーと比べ電動化に出遅れた日本自動車メーカーは、ようやくBEV開発・生産体制の構築に踏み出した。各社とも、中国の合弁パートナーや大手テック企業との協業を通じて、段階的に電動化戦略を進めることで劣位挽回を目指している。
日系メーカーの「電動化シフト」が加速
マツダは2024年4月、中国事業の戦略機能を広島本社から上海市に移転した。2027年までに中国での新エネルギー車(NEV)開発に100億元(2100億円以上)を投入すると発表し、2030年までに現地での「電動車開発」「電池技術の開発」「電池の現地生産」を実現する計画を立てている。
「長安マツダから2025年にも電動化モデルを投入し、中国戦略のスピードを一層加速させ、販売の9割をNEVにする」というのは、担当役員の中島徹氏だ。
ホンダは2024年10月、湖北省武漢市で東風ホンダのBEV専用工場を稼働し、中国市場に特化したBEV「霊悉(リンシー)L」や「燁(イエ)シリーズ」を生産する。
もうひとつの合弁会社、広汽ホンダのBEV専用工場が2025年に稼働すれば、両工場をあわせたBEV生産能力は、年間24万台の規模になる見込みだ。2022年に投入した「e:N」シリーズに加え、2027年までに10車種を投入し、BEVラインナップの拡充で巻き返しを図る。
トヨタも中国でBEVの投入を急いでいる。中国工業情報省が発表した第387回(2024年9月)、第388回(2024年10月)「道路機動車両生産企業及び製品公告」(車両生産許可リスト)には、それぞれ広汽トヨタ「bZ3X」、一汽トヨタ「bZ3C」が掲載された。
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