出遅れた日本EV「中国技術の活用」で巻き返しへ 電池に車台…「手法」が激変する新車開発の今
東洋経済オンライン / 2024年11月8日 10時30分
ステランティスは2023年、新興BEVメーカーの零跑汽車(リープモーター)に15億ユーロを出資した。両社は、オランダで合弁会社「零跑国際(リープモーター・インターナショナル)」を設立。ステランティスの製造力と販売網を生かし、グローバルでBEV事業の拡大を目指す。
技術を“与える側”から、“もらう側”への転換
中国国内での乗用車出荷台数を見ると、2024年1~9月は前年同期比1.6%減。中国政府は、今年3月からNEVや排気量2.0リッター以下のガソリン車に対し、買い替え補助金政策を実施しているものの、新車需要の減速は続く。
BYDなど、中国勢の値下げ攻勢や電動化の進行は、ガソリン車販売を中心とするに日系メーカーの事業基盤を侵食している。日系メーカーは人員の削減、生産ラインの再編、調達戦略の見直しを通じて、生産能力の適正化を行う一方、中国工場の輸出拠点化にも取り組みはじめた。
現在の中国では、内燃機関技術が新車販売の差別化要因にならず、かつて中国勢の成長を引っ張ってきた日系車ブランドが技術を“与える側”から、“もらう側”へと立場を変えつつある。
中国製BEVの競争力が、グローバル市場でも無視できないレベルに到達している今、従来型のモノづくりと製品戦略では立ちいかない。中国のサプライチェーンとエコシステムを活用した、グローバルモデルの開発手法を“適用”する時代になりつつあるのだ。
日系メーカーは戦略的優先事項を見直し、中国戦略に絡む第三国ビジネスや異業種のパートナーとの協業体制を構築する必要があるだろう。
湯 進:みずほ銀行ビジネスソリューション部 上席主任研究員、上海工程技術大学客員教授
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