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「ゴキブリ2000匹と激闘」清掃芸人が見た驚く光景 引っ越してもまたごみ屋敷、再発をどう防ぐか

東洋経済オンライン / 2024年11月8日 9時20分

――事前にいただいた清掃現場の写真を拝見したのですが、比較的キレイなお部屋でしたよね。

柴田:あれはごみ屋敷じゃなく、遺品整理に近いですね。バーッと売る着物とかを出してるような状態。そこから部屋を空にするという段階です。ごみ屋敷の写真を撮らせてくれる住人の方ってなかなかいないですからね。

落合:ごみ屋敷のレベルを100だとすると、3もいかないぐらい。かなりキレイな状態です。いろんな住人の方にお会いしますけど、ごみ屋敷に住んでいる方はけっこうビックリすることがあります。

例えば定期的に依頼してくる“常連さん”みたいな人。その方は僕らみたいな仕事があるとわかって「より片付けなくていいんだ」と思ったのか、片付けてキレイになったら2年後にまた依頼してくる。しかも、お客さま精神が強くて「仕事、作っときましたから」っていうスタンスなんです。

そういうのを見ると、やっぱりただ掃除して帰るだけじゃなくて、ちゃんとコミュニケーションを取って再発を防止しないとダメなんじゃないかと思いますね。極端な話、「ごみ屋敷清掃」がなくなっていくことが僕らにとっても理想なので。

柴田:強気な方はけっこういますね。僕がひどい悪臭がするドロドロになったキッチンの前を片付けていたら、後ろで住人の方が見ていて「うわ、よくそんなことできますね」って言ってきたり。意外と当事者意識がないのか、「僕ならできないですけど」みたいなテンションなんですよ。

落合:ごみ屋敷の住人の方は客観的に見てるか、本当にずっと「すいません」って言ってる人か、どっちかにわかれる気はしますね。

柴田:あと、引っ越しする方は環境が変わってごみ屋敷から抜け出すきっかけがあるけれど、片付けた場所にまた住む人は職場を変えるとかしないと再発する可能性が高いと思います。やっぱり生活リズムを変えないと切り替えが難しいんでしょうね。

――本の中に“住人の方とコミュニケーションを取ることで作業がスムーズになる”とあったのも印象的でした。そこはお笑い芸人であることが生きているのでしょうか。

落合:もともと片付け、不用品回収、遺品整理みたいな仕事って「現場で人とコミュニケーションを取る」って業界じゃないんですよ。だから、僕ら芸人が入っていちばん重宝されるのって、やっぱり対人関係なんですよね。

本当に必要な物と必要じゃない物、本人が要る物と要らない物って、また違うじゃないですか。そこのバランスをちゃんと見て話ができるのは芸人だからかなと。芸人はお客さんの顔を見ながらやりますからね。

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