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「ゴキブリ2000匹と激闘」清掃芸人が見た驚く光景 引っ越してもまたごみ屋敷、再発をどう防ぐか

東洋経済オンライン / 2024年11月8日 9時20分

柴田:僕はちょっと笑いをとりにいこうとしちゃうんですよ。例えば左側にしか動かなくなった赤べこがあって、「どうしよう?」とかって話してるときに「これ、(ビート)たけしさんみたいになってますね」って言ったら無視されて。その後、すぐ要らない袋に投げ込まれたことがあります(笑)。まぁ結果、よかったのかなと思いますけど。

落合:もう1つ、「身元がちゃんとしてる」っていうのも僕ら芸人の売りではありますね。不用品回収とか遺品整理の業者さんはいっぱいありますけど、しっかり人が担保されてる業者って少ないと思うんですよ。お客さんからしたら「誰が家に入るかわからない」って状況なので、そこは「本当に安心してください」っていうのはあります。

柴田:ネット検索すればすぐ顔が出てくる芸人だからこそ、「絶対に変なことはしませんよ」っていうね。そこは芸人であることが生きていると思います。

悲惨だったゴキブリの現場

――いろんなごみ屋敷があると思いますが、お2人が「二度と行きたくない」と感じたのはどんな現場ですか?

柴田:僕は本に書いた7つのカテゴリー(「生屋敷」「弁当がら屋敷」「紙屋敷」「尿ペ屋敷」「犬猫屋敷」「エロ屋敷」「物屋敷」)のどれが嫌っていうよりも、とにかくゴキブリがいるところがダメです。地元の北海道にいた頃は、「殺虫剤のCMでしかゴキブリを知らない」ってぐらい、ゴキブリがまったくいなかったので。

不気味なBGMが流れる中、ゴキブリの影に驚いた人間が殺虫剤を噴射するCMを見て「……東京には悪魔みたいな虫がいるんだ」と思っていました。実際に上京してみたら、その想像を超えてきたので余計ダメになって。それでも清掃業を続けたのは生活を考えてのことです。結婚して子どもも生まれるって時期だったから、とにかく必死でした。

落合:最初のほうってバイトは運び役が多くて。3年ぐらいやってから家の中を任されるようになるので、それもよかったかもね。僕は北関東(茨城)の山の中で育ったから免疫はあったのですが、それでもいちばん嫌だったのはゴキブリの現場です。

そこはマンションの隣部屋の方から「ゴキブリがすごい」とクレームが入って依頼がきたワンルームのごみ屋敷で、ゴキブリを外に出さないように“玄関で殺虫剤を噴射し続ける”ってだけの役回りを1人つけなきゃいけなくて。僕も初めてだったんですけど、ドアを開けるとゴキブリが出てきちゃうぐらいひどかったんですよ。

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