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伊藤忠が狙う「アニメ・IPで1000億円」構想の衝撃 ついに本気!「おぱんちゅうさぎ」アジア展開も

東洋経済オンライン / 2024年11月8日 10時0分

一方、約2割出資するスカパー・ピクチャーズは、製作委員会からの分配収入のみならず、アニメビジネスのドル箱である海外映像販売・商品化窓口などの獲得を念頭に運営。このスキームで臨んだ「チ。」は動画配信サービスの人気ランキングでも上位につけており、ほか3作品のアニメ製作着工も公表されている。

「伊藤忠はコンテンツビジネスにおいて、自分たちだけでやるとうまくいかなかった。もう一回やるならどういう座組がよいかずっと考えてきた中で、自分たちではできない(プロデュース面の)ことができるスカパーと一緒にやっていくのがよいと思った。すでに、日本のアニメを扱いたい海外の動画配信プラットフォームなどから、こちらも多くの問い合わせが入っている」(伊藤忠の稲留課長代行)

スカパー側で「グラゼニ」などのアニメ作品をプロデュースしてきた、スカパー・ピクチャーズの長内敦社長も「総合商社の海外ネットワークを強みにできれば、(アニメプロデュースの競合他社と)面白い競争ができるのではないか」と意気込む。実際、「チ。」の海外商品化ビジネスについても、Rights & Brands Asiaが支援に向けて検討を進めている。

スカパー・ピクチャーズは今後5年で約10作のアニメをプロデュースする算段で、こちらも2029年の流通総額500億円が目標だ。

1000億円実現へシナジー深化がカギ

ライセンスビジネスとスカパー・ピクチャーズの目標値を合算すれば、伊藤忠がエンタメ・IPビジネスで狙う事業規模は1000億円に上る。この青写真を実現するうえで重要となるのが、Rights & Brands Asiaとスカパー・ピクチャーズのシナジーの深化だ。

スカパー・ピクチャーズにおいて、IPコラボの需要が溢れかえるような作品をプロデュースできれば、Rights & Brands Asiaはコラボ案件の運用・企画力を対外的にアピールできる。IPホルダーからの期待値が高まれば、新たな人気キャラクターの商品化権獲得につながるだけでなく、Rights & Brands Asiaと密接な関係のスカパー・ピクチャーズにヒットの見込みが高い原作も集まりやすくなるわけだ。

ただ、スカパー・ピクチャーズのプロデュースした「チ。」は作品性を高く評価される一方、出版大手の漫画編集者からは「キャラクターグッズがよく売れるタイプの作品ではないだろう」という声も上がる。

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