チロルチョコ「虫混入?」騒動対応が見事すぎた訳 迅速な対応と、消費者コミュニケーションの妙
東洋経済オンライン / 2024年11月8日 18時30分
食品への異物混入は、商品イメージの低下につながる。とくに虫などの生物が、製造過程で混入したとなれば、場合によっては一時的な生産中止も必要となる。SNS投稿で発覚した例として、最も有名なのが「ペヤングソースやきそば」の事案だろう。
2014年12月に、SNS上に虫が混入しているという画像が投稿され、製造元のまるか食品は生産と販売を中止した。当初は「製造過程で混入した可能性は考えられない」と全面否定していたが、後にその可能性を認めた。
2023年には、丸亀製麺の「シェイクうどん」に、生きたカエルが混入していたとSNSで動画投稿され、こちらも話題になった。同年には、サイゼリヤのサラダから、こちらも生きたカエルが出てきたとして謝罪した。
直近では、2024年5月に、「Pasco(パスコ)」のブランド名で知られる敷島製パンの一部工場で生産されたパン商品に、「小動物らしきものの一部」が混入していたと発表された。その後、その異物は「クマネズミの子ども(約60mm)」だと伝えられている。
関連記事:パスコ超熟「60ミリの子ネズミ混入」対応の成否 誠実ゆえに、消費者に過度の想像をさせた
菓子メーカーも例外ではない。ちょうど11月7日には、菓子大手のシャトレーゼが、一部商品へのカメムシ混入について発表した。その前日に、フジテレビが「『2週間以内に原因報告』とするも連絡無く」と報じてからの発表となり、「弊社側のお客様対応におきましてご報告の大幅な遅れや不十分なコミュニケーションがあった」として、初動対応のミスを認めている。
ブランドイメージが損なわれないよう早急な対応が必要
食品への異物混入については、真偽はどちらにせよ、企業は早急に対応する必要がある。
事実であれば、即座に生産ラインを止め、必要に応じて商品回収を行わなくてはならない。また虚偽であっても、ブランドイメージが損なわれないよう、投稿者への対応に加えて、一般消費者への経緯説明も、同時並行で行う必要がある。
その点、チロルチョコの件は、初動からアフターフォローまで完璧と言える。投稿当日にすぐさま、企業側から投稿者へDMを送信した。あわせて動画の商品を特定し、今年は未発売の季節商品だと推測。これらを合わせて、ひとまずの現状報告として、公式Xに投稿している。
この投稿では、あわせて謝罪も行われているが、その言い回しを「投稿主様と皆様にご不快とご不安を与え大変申し訳ございません」とした点もポイントが高い。メーカー側で虫が混入した可能性にも配慮したのだろう。
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