チロルチョコ「虫混入?」騒動対応が見事すぎた訳 迅速な対応と、消費者コミュニケーションの妙
東洋経済オンライン / 2024年11月8日 18時30分
投稿者の事実誤認を伝えた際にも、細かな気配りが見える。「弊社としてはご家族とご本人様からお詫びのご連絡を頂いておりますので投稿主様へのコメントやお問い合わせはお控え頂けますと幸いです」として、一般ユーザーからの“私刑”にクギを刺したのだ。
実際、今回の投稿については疑問の声も出ており、「あの投稿は確実に悪意ある」「デマを流した罪は重い」「営業妨害で訴えて、損害賠償請求もすべき」といった声がチロルチョコの公式Xにもリプライで寄せられていたが、“私刑”にクギを刺すことで、騒動自体が長引くことを防ぐことにつながった。
ここまででも、炎上時の対応としては満点なのだが、まだ続きがある。
公式Xは11月7日、「ここ数日は楽しい気持ちになれない方もいらっしゃったかもしれませんが、弊社は『あなたを笑顔にする』をミッションとして掲げておりますのでまた皆様を『笑顔』にできるような商品や情報をお届けしていきます」と表明した。
そして「この後、さっそくワクワクなお知らせがありますので楽しみにしていてください!」と続けて、競合とも言える人気チョコ菓子「ブラックサンダー」とのコラボレーション商品を告知する。
もともとタイミングは決まっていたのだろうが、どんよりとしたフォロワーの気持ちを晴れさせる内容になった。
チロルチョコの広報スタンスは投稿者側の「事実誤認」
SNS上では、インパクトの強い画像や映像は、投稿後すぐさま拡散されてしまう。今回も虫がうごめく様子が投稿されたからこそ、より早く広まっていった。
投稿を発見し、事実を確認し、経緯説明し、必要ならば再発防止策を打ち出す。一連の対応を迅速に行えるかに、その企業の力が問われている。
その点、実はチロルチョコには、“前例”があった。2013年6月、今回同様に「チロルチョコの中に芋虫がいた」と拡散され、こちらも即座に公式X(当時Twitter)から「現在ツイートされている商品は昨年の12月25日に最終出荷した商品で掲載されている写真から判断しますと30日~40日以内の状態の幼虫と思われます」とアナウンスされた。
続けて「詳しくはこちらのサイトをご覧下さい」として、日本チョコレート・ココア協会公式サイトの「よくある質問」ページへのリンクを投稿した。このページでは「なぜチョコレートやココアに虫がつくのですか?」「家庭で虫からお菓子を守るにはどんなことに気をつけたら良いのですか?」といった内容が説明されている。
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