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「夜間頻尿」知っておきたい3つの"傾向と対策" 40歳以上の66.7%もの人が悩まされている

東洋経済オンライン / 2024年11月9日 19時0分

夜間頻尿の3つの原因について解説します(写真:mits/PIXTA)

日本大学医学部泌尿器科学系泌尿器科学分野主任教授の髙橋悟氏によれば、数ある尿トラブルのなかで、最も悩んでいる人が多いのは「夜間頻尿」で、40歳以上の女性で62.1%(2580万人)、男性で71.4%(2640万人)、全体では66.7%もの人に夜間頻尿があるそうです。

本稿では、髙橋氏の著書『頻尿・尿もれ自力でできるリセット法』から、一部を抜粋・編集して、「夜間頻尿」の3つの原因と、それぞれの「なりやすい人」「その対策」について紹介します。

じつは「膀胱」は脳とつながっている

通常、尿が150〜200mlぐらいたまると「トイレに行こうかな」という程度の尿意を感じ始めます。尿が300〜400mlぐらいたまると「トイレに行かないともれちゃう!」という最大尿意を抱きます。

ところが年をとって尿道括約筋が衰えると、150〜200mlの量でも、最大尿意を抱くようになってしまいます。つまり、普通の人の半量で膀胱が「緊急事態」のサイレンを鳴らすのです。

このような「尿意をもよおす」という現象は、膀胱が尿で引き伸ばされたことを、脳の「排尿中枢」が察知して起こります。

膀胱に尿がたまったことを脳の排尿中枢に伝えるのは脊髄と「末梢神経」です。

末梢神経には「体性神経」と「自律神経」があります。自律神経は自動的(自律的)に機能している神経で、自分では動かせない不随意筋(平滑筋)を支配しています。その自律神経には、体を活動的にする「交感神経」と、体を休ませる「副交感神経」があります。

・排尿するとき…尿道括約筋が緩み、副交感神経が働いて膀胱が収縮します

・尿意を我慢するとき…尿道括約筋が収縮し、交感神経が働いて膀胱が弛緩します

悩む人が最多! 「夜間頻尿」の正体

数ある尿トラブルのなかで、最も悩んでいる人が多いのが「夜間頻尿」です。40歳以上の女性で62.1%(2580万人)、男性で71.4%(2640万人)、全体では66.7%もの人に夜間頻尿があるとされます(「日本排尿機能学会2023年疫学調査」より)。

「夜寝てから朝起きるまでに、トイレのために1回以上起きる」。これが「夜間頻尿」の定義です。ただし、起きる予定時刻の少し前に「トイレに行きたいと思って目覚め、トイレに行ったら寝床には戻らない」のは「1回」に数えません。トイレの後でまた眠ったときを「1回」と数えます。

「1回起きるだけ」なら、それほど困らない人が多いかもしれません。実際、あまり心配しなくてもいいと思います。困るのは、2回、3回、それ以上起きる場合です。なぜなら、夜間頻尿は睡眠の質を落とすので、昼間の活動に影響が出るからです。日常生活に影響することが、夜間頻尿の最も大きな問題です。

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