1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

脳科学で実証、潜在能力を引き出す"魔法の4文字" 仲間を肯定し、信頼関係を生むポジティブ言葉

東洋経済オンライン / 2024年11月9日 16時30分

「『潜在能力』は隠れているものではなく、一定の考え方と行動を伴うことで誰でもいつでも発揮できるもの」と脳外科医の林成之は言います(写真:ELUTAS/PIXTA)

潜在能力というと「表に出ていない、内に秘めた才能」と定義づけられています。英語では「potential ability」と訳されるようです。英語表現で見ると「可能性のある」「能力」とも読み取れます。

実は「潜在能力」は隠れているものではなく、一定の考え方と行動を伴うことで誰でもいつでも発揮できるものだとするのは、脳外科医の林成之さんです。

脳低温療法を開発し、脳蘇生治療の第一人者だけでなく、脳科学をスポーツに応用し、多くのアスリートにアドバイスをしていることでも知られる林さんによれば、潜在能力は、一定の考え方と行動を伴うことによって、いつでも発揮できるものであり、それを十全に発揮すれば、想像していなかったレベルの成果が得られることもあるというのです。

『運を強くする潜在能力の鍛え方』より、一部抜粋・編集してお伝えします。

潜在能力を発揮する言葉のかけ方

私は脳科学の知見に基づき、潜在能力を発揮するために必要な体の使い方や言葉のかけ方、意識の持ち方などをお伝えしてきました。その事例を紹介します。

2011年開催のサッカー女子ワールドカップで、日本勢初の優勝を成し遂げたなでしこジャパンです。大会に入る以前、当時の佐々木則夫監督に「先生、頭を強くする方法はありますか」と相談を受けました。

そのときに教えたのが、「そうだね」という言葉です。

この「そうだね」は、お互いを肯定するポジティブな言葉で、このような言葉は相手の脳に入りやすいのです。そして、相手の脳に入るから気持ちが一体化して、その後の話も聞きやすくなります。

だから「合宿などで話をするときは、必ず『そうだね』と言ってから話すといいですよ」と、佐々木監督に伝えました。

これとは逆に、否定的な言葉は相手の脳に入っていきません。そして、相手の気持ちを遮断してしまいます。人間は自己保存の本能で自分を守りたいので、意見が違う人とは絶対に仲良しにはなれません。

意識的にポジティブな言葉を発する

だから、否定語は使わず、意識的にポジティブな言葉を発することが大事なのです。その意味で、「そうだね」は、お互いの気持ちを結びつける魔法の言葉といってもいいでしょう。

既にご説明したように、脳には「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」といった本能があります。この本能を生かす言葉が「そうだね」なのです。

つまり、仲間になりたい本能ともつながっているので、まず「そうだね」と同調してから会話を始めると、その後に何を言うかに関係なく、話す側は否定されることへの恐怖がなくなります。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください