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「日本で魚が獲れない理由」を知った小学生の驚愕 よくある大人の反論「外国船・海水温上昇・クジラ」

東洋経済オンライン / 2024年11月9日 11時0分

マイワシ(写真:筆者提供)

「水産資源の話を聞いて、日本が魚をとりすぎて魚がとれなくなっていることにびっくりした」

【画像でわかる】中国など外国船の影響で魚が獲れないのは本当か

「魚の漁かく量が減っているのを自分たちは関係ないと大人がいいわけしているのにもびっくりした」

2024年の夏、「くしろ・あっけし海の未来調査隊!2024」(日本財団が推進する海と日本プロジェクトの一環)というイベントで、30人ほどの小学5、6年生に会いました。沿海調査エンジニアリングの大塚英治社長が総合講師となり、北海道放送(HBC)、東海大学そして地元の皆さんと、北海道の釧路と厚岸で水産資源の話をしました。

日本の海では、サケ、スルメイカ、シシャモ、サンマ、サバをはじめ、ほぼあらゆる魚種で資源量も漁獲量も減少が止まりません。身近なはずの水産資源の実態について、あまりにも知らなかった現実に触れて、子供たちからは冒頭のようなコメントが出ました。

よくある「特に外国船・中国が悪い」という反論

イベントの終了後、小学生の皆さんは、それぞれの地元に帰り、家族や親戚に話したり、学校での発表をしたりしたそうです。ところが、あるお子さんのお母さんから事務局にこんな連絡が入りました。

「娘が今回一番興味を持ったのが、資源管理についてのお話だそうです。帰宅後も熱く語ってくれました」

しかし、帰省中に親戚たちにその話を伝えると「そんなわけない!」「ちゃんと考えられてとってるはずだ」「それは偏った意見だ」などと言われてしまったそうです。

親戚の方々には悪気はなく、一般的に水産資源管理の話をすると3点セットのように「特に外国船・中国が悪い」「魚が減ったのは海水温上昇のせい」「クジラが食べてしまう」という反論が来るものです。筆者はデータと根拠をお送りしました。

筆者の記事はヤフーニュースにも掲載されていますが、同じようなコメントが繰り返し出てきます。マスコミもそのように報道しているという面があるのですが、誤った情報を基に対策をしてもよくなることはありません。

次のグラフは世界と日本の漁業と養殖の合計生産量の傾向を示しています。違いが一目でわかります。世界全体では、過去最大の更新が続くのに対し、日本では2023年に372万トンとさらに生産量(漁獲量と養殖量の合計)は過去最低を更新しています。

外国の影響がない瀬戸内海の漁獲量も減少

次のグラフは、外国船が侵入してこない瀬戸内海の漁獲量が、日本全体の漁獲量の減少傾向とほぼ同じであることを示しています。魚が減っていくことを外国のせいにばかりしてはいけないのです。これ以外にも北海道のスケトウダラのケースで明確なエビデンスがあります。

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