「選挙圧勝」でも次期トランプ政権は簡単じゃない なんと共和党は「労働者の政党」になっていた?
東洋経済オンライン / 2024年11月9日 8時30分
「データを普通に読めば(ドナルド・)トランプさんの勝ちになります」
11月5日のアメリカ大統領選挙前、「日米の世論調査はいったいどこまで正しいのか」(10月26日配信)では、こんなふうに予想したものの、筆者は正直、とっても怖かったのである。2000年以降の6回の大統領選挙をつぶさに見てきて、何度も思い知らされたけれども、とにかくおっかない選挙なのである。
「3度目のトランプ選挙」はようやく筆者の予想どおりに
2016年と2020年のアメリカ大統領選挙開票速報は、筆者はNHKラジオの放送現場で体験した。
解説役を務めながら、2回とも「あれれっ、これは俺の予想と違う……」という感覚を味わった。開票が始まってすぐの時間帯から、「この州はこっちが勝つだろう」という予測が外れていき、お昼頃には「うーん、やっちゃったか……」と頭を抱えることになる。
それくらいトランプさんが出る選挙では、事前の世論調査が外れてしまうのだ。結果として、2016年はヒラリー・クリントン氏がまさかの敗戦を喫した。また、2020年は開票作業が思った以上に長引き、実に4日後になってからジョー・バイデン氏に「当確」が出た。
ところが今年、「ニコ生さん」(ニコニコ生放送)で開票速報に立ち会った際には、ほぼ事前の予想どおりの進行となった。強いて言えば、激戦7州を全部トランプさんが取ってしまったことには意外感があった。もっと接戦になるという見方が多かったからで、やはり今回も「隠れトランプ票」が少しだけ存在したのであろう。
ともあれ、どちらが勝者かわからない状態が長引くとか、選挙結果をめぐって訴訟合戦になるとか、最悪「シビル・ウォー」(内戦)になるといった心配はなくなった。お陰でこの原稿も、ある程度、結果を踏まえたうえで書くことができる。
獲得した選挙人(総数538)の数は、トランプさん312対(カマラ・)ハリスさん226ということに落ち着きそうだ。2020年時にバイデンさんが獲得した306人(この時のトランプさんは232人)を上回る堂々の勝利である。2016年のトランプさんも306人で勝っているから、「ハリスはヒラリーより弱かったぜ」くらいの憎まれ口を叩いたとしても不思議ではない。
ところで選挙資金を監視する団体であるOpen Secrets によれば、今年の大統領選挙のために両候補が集めたお金はハリス候補が10億0315万8590ドル、トランプ候補が3億8153万7980ドルである。これとは別枠で「アウトサイドマネー」と称し、支持者が勝手に候補者を宣伝するために使う資金もあって、そっちはハリス陣営約6.5億ドルとトランプ陣営7.1億ドルといい勝負であった。
いつの間にか「お金持ちは民主党」になっていた!
この記事に関連するニュース
-
トランプ前大統領の圧勝とその教示
Japan In-depth / 2024年11月7日 23時21分
-
焦点:歴史的選挙戦戦ったハリス氏、なぜ敗北したのか
ロイター / 2024年11月7日 19時9分
-
ウェストバージニア、ケンタッキー両州では予想どおりトランプ氏勝利、米大統領選(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月7日 13時15分
-
米大統領選で共和党のトランプ氏が勝利、選挙人過半数越す 接戦州4州も制す 「栄誉だ」
産経ニュース / 2024年11月6日 19時40分
-
今回も早々に「勝利宣言」か...トランプの作戦を左右する「赤い蜃気楼」とは?
ニューズウィーク日本版 / 2024年10月28日 15時47分
ランキング
-
1星野リゾート、総スカン「大学1年でも内定」の意義 学生や採用担当者には不評だが隠された意図がある?
東洋経済オンライン / 2024年11月14日 9時20分
-
2「103万円の壁」見直しに宮城知事「私が総理なら首を縦に振らない」「立ちどころに財政破綻」
読売新聞 / 2024年11月13日 23時13分
-
3【独自】住民税非課税世帯に3万円検討 子1人2万円上乗せも、物価高で
共同通信 / 2024年11月13日 21時42分
-
4高知など13日は全国42の地点で夏日に…猛暑が去ったのにキュウリが3倍近くの価格になり食卓に打撃 一体なぜ?
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月13日 19時47分
-
5「失われた25年」今こそ直視すべきその根源理由 必要なのは「働き方改革」ではない
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月14日 9時0分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください