科学で証明「寝不足だと食欲が増す」は本当だった 専門家が明かす、睡眠と太りやすさの深い関係
東洋経済オンライン / 2024年11月10日 15時0分
「寝ても疲れがとれない」「眠りが浅い」など、睡眠に関する悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
今はタイパ、コスパが極端に重視される時代ですが、精神科医で、早稲田大学睡眠研究所所長の西多昌規さんは、「人生で眠っている時間は決して無駄な時間ではない」と断言します。
本稿では、しっかり寝ることがどれほど大事なことなのかについて、西多さんの著書『眠っている間に体の中で何が起こっているか』より一部抜粋、3回にわたって紹介します。
眠っている間、血糖値はどうなる?
ホルモンよりも日常生活に身近な血糖値ですが、眠っている間にどのように変化するかは、実はあまりよく知られていません。
【グラフで見る】睡眠不足では、血糖値とインスリンの上昇幅はどちらも小さくなる
人間が眠っているだいたい6~9時間の間は、食事をとることができません。日中にこれだけ食べられない時間が続けば、低血糖になりそうなものですが、長時間の絶食にもかかわらず、夜間睡眠中の血糖値は、日中に比べて20%から30%も増加します。
逆に、寝ないで目は覚めたまま横になった状態で絶食すると、血糖値は12時間で平均10~20mg/dLも低下します19。これはつまり、何らかのメカニズムによって、睡眠というかなりの絶食時間があるにもかかわらず、睡眠中の血糖値は安定していると考えられます。
睡眠中の血糖値が増加するのは、活動しないので血中のグルコース(ブドウ糖)を消費しないせいですが、睡眠中のインスリンの分泌も関わっています。
インスリンは、膵臓から分泌されるホルモンで、グルコースの代謝を調節し、血糖値を一定に保つはたらきを持ちます。夜間はインスリン分泌率も増加しますが、血糖値を正常値まで下げる(血糖値を正常値まで下げる能力を耐糖能といいます)ほどではありません。
下の図(図2-7、2-8)でも示されていますが、睡眠不足では、血糖値とインスリンの上昇幅は、どちらも小さくなります(※外部配信先ではグラフを閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)。
そして、徹夜したあとに睡眠をとって睡眠不足が解消されると、血糖値とインスリンはリバウンドのように大きく増加します。これは、深いノンレム睡眠(徐波睡眠)による成長ホルモン分泌増加が原因と考えられています。
血糖値を上昇させるのは成長ホルモン
成長ホルモンは、筋細胞や脂肪細胞がブドウ糖を取り込むのを減少させ、肝臓から血液へのグルコース放出を促進させます。
この記事に関連するニュース
-
【中高年女性】お腹の脂肪はなぜ危険?こんなお腹の出方の人は要注意!【判定基準をセルフチェック】
ハルメク365 / 2024年10月31日 18時50分
-
「朝食はパンだけ」「疲れた脳に合格ラムネ」では志望校に合格できない…栄養士が勧めるパンとお菓子の種類
プレジデントオンライン / 2024年10月23日 15時15分
-
Q. 「食後に眠くなるのは糖尿病のサイン」って本当?
オールアバウト / 2024年10月18日 20時45分
-
ボストン・ウェルネス通信その13 人気の痩せ薬、と同じ効果がある食べ物
Japan In-depth / 2024年10月18日 10時2分
-
「血糖値が高い」と気にしている人の重大な盲点 「血糖値の安定」こそが重要な理由
東洋経済オンライン / 2024年10月17日 7時0分
ランキング
-
150代になったら要注意「足を守る」正しい歩き方 人間の足は50年で「耐用年数」を過ぎるという
東洋経済オンライン / 2024年11月13日 7時20分
-
2ただのペンだと思った?実は「6つの工具機能」を搭載したマルチツールなんです!
&GP / 2024年11月13日 6時30分
-
3死亡した人の預金、「口座凍結される前」に引き出しても大丈夫?【司法書士が回答】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月13日 12時0分
-
4凋落の維新は全国政党から撤退か…吉村府知事“新代表一択”でささやかれる「大阪引きこもり」
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月13日 9時26分
-
5ダニ媒介性脳炎は致死率が20%以上…アウトドア好きは知っておきたい
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月13日 9時26分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください