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「4つのキャリア」持つモヒカンの医師の大胆な人生 産婦人科医・高尾美穂さんが教えてくれること

東洋経済オンライン / 2024年11月10日 11時0分

基本は、聴いたり読んだりしてくださる方々の求めに応じて、お答えしているというスタンスですが、やはり、体と心は陰陽であり、一体ですから。先ほどお話ししたように、体の不調は心の不調にも繋がりますし。

――逆に心や人生の問題も、体に影響を及ぼしますよね。

はい。たとえば、保険診療では診断できない病気、検査では異常を指摘できない不調もあります。東洋医学的には未病と表現しますが、現代女性はその領域での悩みが本当に多くて。病院に行ったけど、よくならない場合も多い。

子宮筋腫や卵巣がんのような器質的な病気は手術のテクニックも時代と共に進化していますし、切り取ること自体は可能です。でも、実は子宮筋腫によって出血が多い状態を20年などと長い間、その不調を放置している女性も少なくありません。現代の女性は社会でも家庭でも役割を求められて忙しすぎるから、個人的な不調をそのままにしてしまいがちなんだろうなと。


医学は進化しても、ご本人が困っていると気づかない限り、解決にアクセスできないから、たくさんの方に伝えたいんですよね。

――また、体を治すだけでは、本質的な解決には至らないと。個々の意識や社会の構造が変わらないと難しいということですよね。

手術すれば回復するはずの癌患者さんも、実はその病に至るまでの人生には長い歴史や、心の重石があったりするから。外科医のみならず、心療内科の先生とチームを組んで治療にあたるのはもちろん、もっとじっくり問診する機会があればいいなと。カウンセラーさんや看護師さんの力も借りて、その人の体と心のことを丁寧に掘り下げていく。複雑な現代社会においてはますます必要なことだと思います。

キャリアのターニングポイントは体が教えてくれた

――高尾さん自身のライフキャリアについても聞かせてください。子どもの頃から医師という職業を志されたそうですが、産婦人科医を選んだのは?

いちばんは、その人の人生を長く見ていけるからです。診療は科によっては短期間で終わってしまうこともありますよね。麻酔科だと手術の前日と翌日しか会わないし、小児科も15歳まで。でも産婦人科医は、女性が生まれてからおばあちゃんになるまで、さまざまな相談が来る科です。研修医時代、それに気がついて、これは凄いことだなと思って選びました。

――その人の体や人生を長期間にわたってトータルで見たかったと。

そうしないと、わからないことや本質的に解決できないことはたくさんありますから。

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