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「4つのキャリア」持つモヒカンの医師の大胆な人生 産婦人科医・高尾美穂さんが教えてくれること

東洋経済オンライン / 2024年11月10日 11時0分

――キャリアの転機についても聞かせてください。医師となってから初めは大学病院で経験を積まれて、12年前、大学を辞めて現在の病院に転職することを決断されています。ここは大きなターニングポイントでしょうか。

言われてみればそうですね。転職の理由はシンプルで、夜中のお産を担当しなくてもいい働き方を選んだんです。30代前半までは徹夜で働いても余裕がありましたが、年々、日中の集中力が落ちているのを実感して。でも、大学病院にいる限り当直は免れません。当時は今よりも大学を辞めにくい空気でしたが、教授が変わったタイミングで辞めました。

――ご自身の体のことを考えての決断だったんですね。

大事ですよ。長い目で人生を考えたとき、絶対に夜中は寝ていたほうがいい。睡眠医学の先生のもとでより深く睡眠について学んだこともあり、ますます、体と自分の働き方について考えるようになりました。

未来を叶えるためのイメージの抱き方

――体からのサインもその1つだと思いますが、キャリアにせよ、人生にせよ、何か決断するときに指針とされていることはありますか?

自分はこうなりたいというイメージを抱くことでしょうか。正直、何事もこうなりたいと願ったところで、すぐには叶わないもの。それでも、いつかはこうなりたいというイメージだけは持っておかないと、絶対にそうはならないです。

たとえば、今は夫婦で1つのベッドに寝ているけど、夫のいびきが煩くて眠れないとして。きちんと睡眠時間を確保するには、夫と別のベッドで寝たほうがいい。

そこに気づいた時点から、“いつかは1人のベッドで眠るんだ”というイメージを頭のどこかに置いておく。そうしないと、いざ、物事を変えようとするときにアクションが起こせない。

私は、“夜中に働かなくていいライフスタイルで産婦人科の仕事を続けていきたい”とイメージし続けていたからこそ、今の働き方に移行できたんだと思います。

キャリアに4つの軸を作った理由

――今、高尾さんの働き方には、産婦人科医のみならず、スポーツドクター、産業医、ヨガ指導者と4つの軸があります。現状のキャリアもご自身がイメージして叶えていったものでしょうか?

そうですね。私は今、産婦人科医として週4日、保険診療をしていますが、スポーツドクター、産業医としても働いています。このキャリアは意志的に拓かなければ、辿り着けなかったものです。スポーツドクターも産業医も、専門医とは別の資格が必要ですし。整形外科医なら、スポーツドクターも身近な資格ですが、私は産婦人科医。ロールモデルがありませんでした。東京オリンピックも経て、今でこそ数も増えましたが、当時は日本に100人もいなかったんです。

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