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「4つのキャリア」持つモヒカンの医師の大胆な人生 産婦人科医・高尾美穂さんが教えてくれること

東洋経済オンライン / 2024年11月10日 11時0分

――オリンピックでアスリートをサポートしたい気持ちもあったのでしょうか。

それ以上に、これまでの活動とも繋がるキャリアだと思ったからです。私は長らくヨガを学び、教えてもきて、運動が人生にとっていいものであることは間違いないと体感もしていました。それを多くの人に伝えたいなと思ったとき、自分がスポーツドクターとしても活動して、科学的にもそれを伝えられたら、説得力が増すだろうなとも思ったんです。

産業医になったのもそうです。産婦人科医の産業医なんて、いまだにそこまで多くいません。もともと産業医学が専門の方、次いで内科医、メンタルヘルス分野の医師が産業医になられる。でも私は、女性の診察をしながら、働く環境には大きな問題があるなと感じていたので、その現場を知りたいとも思ったし。自分のような視点を持つ産業医は必要ではないかと思って資格を取るための勉強をしました。

――現場での問題意識が出発点だった。

そう思います。今、産業医としては週2日会社に出社して会議にも出てきたから、一般的な企業の仕組みやそこで生まれるストレスも理解できます。スポーツドクターとしてもそうですが、皆さんが生きている日常や問題の本質を知ったうえで、いろんなアドバイスできるのはすごくよかったことだなと思います。

――女性のさまざまな病や不調を治療するうえで、必要だなと感じたことを1つ1つ身につけていった結果が、今の唯一無二のキャリアとなったんですね。

私には、医師としての仕事を超えて『みんなでよりよく変わっていきたい』という思いが強くあるんです。もちろん、自分自身が幸せな人生を生きたいという思いもありますけど。周囲の人やまだ知らない誰かも巻き込んで、みんなで幸せになりたい。

だからこそ、医者としてのさまざまなことに挑戦し続けたいし、医者という枠を飛び出して、ヨガをはじめ、自分が大事だと思うことを伝える講座や、インターネットでの発信も続けているんだろうなと思います。

(後編に続く)

芳麗:コラムニスト

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