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「モヒカンヘアの医師」が自分を貫ける納得の理由 産婦人科医・高尾美穂さん「仕事は人生の一部でしかない」

東洋経済オンライン / 2024年11月10日 11時10分

――では、幸せとキャリアについてはいかがでしょう。前編では高尾さんのキャリアについても伺いましたが、人生100年時代、やはりキャリアも「自己決定すること」が幸せのカギでしょうか。

もちろん。ただ、そもそも、人生=仕事じゃないですよね。そのときやっている仕事が楽しいという感覚を持てる人は幸せです。でも、そうじゃないとダメなわけじゃない。人生は長いから、キャリアが切れ目なく繋げる、働いてお金が入ってくる状態が続けば、確かに安心です。でも、それがイコール、幸せとも限らないですよね。

これからは、キャリアもますます人それぞれですよ。1つの仕事を終えてしばらく間を空けないと次に進めない人もいていい。肉体労働で頑張っていた人が年齢を重ねて、肉体労働ではない仕事も増やしながら、ゆっくり移行していくというのも理にかなっています。絶え間なく働かなければとか、仕事で輝き続けなくてはなんて思う必要はないです。

――その時々、自分らしい働き方ができていればいいということですね。

将来への不安、主に金銭的な不安があると、キャリアについて焦る人は少なくないと思います。でもお金だけに目が向いてしまうと、心が空っぽになっていくケースも少なくないです。

特に女性の場合は、仕事以外の役割がたくさんありますから。日々、生活を回すことだけでいっぱいいっぱいになって、いつの間にか、自分のしたいことをするというような感覚が薄れてしまう。

――子育てが大変な時期は特にそうかもしれません。

その仕事が自分の好きなことであればいいけど、そうではない可能性のほうがたいてい高いわけです。すると、仕事に重きを置きすぎると苦しくなるのは当然です。

たとえば、働きながら子育てしている女性たちに時間の使い方についてのアンケートをとったら、平均して自分のキャパの60%を仕事に持っていかれていて、残りの40%弱を子どもに費やしてるというイメージです。自分に使える時間やエネルギーはたったの数%しかない。 

当然、自分の生活や人生に満足できないですよ。その状態が長く続くことは決していいことではないです。

――子育てとキャリアの両立に関しては、家庭内の協力や会社の仕組みが整っていれば、だいぶ違うのかなと。

そうですね。パートナーがいて子育てしている人ならば、本当は2人の力を合わせれば、200%のエネルギーがあるはずなんです。子育てを半々分担できたら、それぞれのエネルギーを20%くらいずつ注げば何とかなる。60%くらいは仕事に注いだとしても、自分の時間も作れる。

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