「同志社蹴って地元で進学」彼が下した決断の背景 60年の人生に大きな影響を与えた浪人生活
東洋経済オンライン / 2024年11月10日 7時30分
浪人という選択を取る人が20年前と比べて1/2になっている現在。「浪人してでもこういう大学に行きたい」という人が減っている中で、浪人はどう人を変えるのでしょうか?また、浪人したことによってどんなことが起こるのでしょうか? 自身も9年の浪人生活を経て早稲田大学に合格した経験のある濱井正吾氏が、いろんな浪人経験者にインタビューをし、その道を選んでよかったことや頑張れた理由などを追求していきます。
今回は1浪で同志社大学商学部と、北海道教育大学教育学部札幌分校(現:札幌校)に合格し、北海道教育大学に進んだ後、現在秀明大学教授、童謡メンタルセラピストとして活動している山西敏博さんにお話を伺いました。
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60年の人生に大きく影響する浪人時代
今回お話を伺った山西敏博さんは秀明大学の教授として、言語社会学や英語教育学、認知心理学を教える傍ら、童謡メンタルセラピストとして、全国の被災地に足を運んでいます。
そんな山西さんには、浪人の経験がありました。
目標としていた北海道教育大学札幌分校に合格はしたものの、目指していた小学校教員にはならなかった山西さん。
当時の夢はかなわなかったものの、現在の考え方の根幹や取り組みには浪人時代の経験が役立っているそうです。
今年還暦を迎えた、山西さんの60年の人生には、1年の浪人期間がどのように影響しているのでしょうか。
山西さんは、1964年、北海道札幌市で自動車会社に勤務する父親と電電公社の電話交換手をしていた母親のもとに生まれました。
小学校2年生のときに稚内、中学校1年生の2学期に栗山町、中学3年生で札幌、というように、父親の転勤に合わせて北海道内を転々とする生活を送ります。
小学校時代の成績はよかったものの、教育熱心な母親と、仕事熱心な父親に支えられていた部分も大きかったようです。
「われわれの時代は塾に行くのはずるいという風潮があり、勉強は自分でやるものでした。私は長男で期待されていたこともあり、母親に勉強を教えてもらうこともありましたが、母親は100点をとって当たり前だと考えていたので、80点以下だと『何やってんの!』と怒られました。
父親は朝6時〜夜12時まで働いていたのであまり勉強を教えてもらうことはなかったのですが、『さんずいのつく漢字10個書いてごらん?』というように、自分の頭で考えるように教えてもらっていたので、わからないときは辞書を開く癖がつき、漢字が得意になりました」
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