「いじり」と「いじめ」境界を間違えないリーダー術 3つの特徴を比べて理解 上司が意識すべきこと
東洋経済オンライン / 2024年11月11日 7時30分
長い付き合いの中で、過去に何度も同じようにいじっていたのに、ある日突然「それはいじめだ」と言われたらどうだろう。多くの人は戸惑うに違いない。今までの暗黙の了解が実は違っていた。もしくは相手の心境が変わって、そういう行為を受け入れたくなくなったのかもしれない。
行き過ぎた「いじり」は、「いじめ」や「ハラスメント」になる。また、いじられている本人はよくても、周りが「いじめ」と感じて気分を害することもある。これが問題になった事例も多く、いろいろな職場でナーバスになっている。
組織のリーダーは「いじり」と「いじめ」の境界線をしっかりと理解しなければならない。そこで今回は、この境界線について詳しく解説していく。
「いじり」とは何か? 3つの特徴
「いじり」には次の3つの特徴があると私は思っている。
(1)双方向である
(2)笑いを誘う
(3)お約束がある
まず「双方向」について説明しよう。「いじり」とは、お互いが楽しむコミュニケーションである。いじったらキレられたり、相手も同じようにいじり返してくる。必ずお互いでやり合うことがお約束だ。
AさんがBさんに「今日も髪型がダサいな」といじれば、BさんもAさんにやり返す。
「お前はどうなんだよ! あ、そもそも髪の毛がないか」
「おいおい。それはないだろ」
このように、コミュニケーションが双方向であることが「いじり」の特徴だ。
次に「笑いを誘う」という特徴もある。だからいじられた相手がキレたとしても、それは一つの「芸」なのだ。
「お前のお腹はボヨンボヨンだな」
「ボヨンボヨンとはなんだ!」
切れ味の鋭い返しのほうが、笑えたりする。しかし本気でキレているわけではない。演技でキレるのだ。
3つ目の特徴は「お約束がある」ことだ。お互いのことがわかっていたり、信頼関係があるからこそ、いじっても、いじられても傷ついたりはしない。
「お前が出世できたのは、仕事もせず社長にゴマばっかりすってきたからだろ?」
「勘違いするな。俺はゴマ以外にも、いろいろすってきたんだよ!」
ほかの人ならともかく、この相手だから許せるいじりもあるのだ。
ここまで見てきた特徴は、同期や仲間、上下関係があっても心許し合える間柄なら成り立つ。だが上司と部下の関係性ならどうか。
上司の「いじり」が苦痛であっても、部下という立場だと言い返せないし、新入社員なら「社会人になったんだから、これぐらい耐えないと」とムリして受け入れる人もいるだろう。
「いじめ」とは何か? 3つの特徴
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