進化する「ヒューマノイド」産業現場で労働開始へ テスラBMWなど大手が相次ぎ実用化に動く
東洋経済オンライン / 2024年11月12日 8時30分
学生時代にロボットコンテストなどを通じて自分でロボットを作り上げたり、工場の組み立てラインなどで巨大な産業用ロボットを動かしている人には、ロボットは身近なものかもしれない。だが、SF映画やアニメに登場するようなヒト型ロボットの実用化は、まだ先だと思っている人が多いのではないだろうか。
近年は、発達著しい人工知能をロボット工学に取り入れ、さまざまな作業を学習し、適応できるロボットの開発が可能になってきている。またヒト型ロボット、すなわちヒューマノイド・ロボットの開発も盛んに行われるようになってきた。
労働させることを想定して開発
現在開発が進められているヒューマノイドの多くは、カメラやセンサーを通じて周囲環境に関する情報を取得し、それをディープラーニング・アルゴリズムやニューラルネットワークといった人工知能システムで処理することで、自律的な動作を可能にするような開発が進められている。さらに、人間と会話によるコミュニケーションを可能とすべく、自然言語処理機能も搭載するようになりつつある。
ヒューマノイドの多くは、これまで人の手によって行われてきたさまざまな労働を、人の代わりに、または人と一緒にこなすことを想定している。特に高所や高温環境など、人にとって危険な場所での作業をヒューマノイドに任せられるようになれば、労働災害が発生するリスクも大きく軽減されていくはずだ。
以下では、現在開発が進められているヒューマノイドのうち、代表的なものを紹介する。
電気自動車メーカーによる開発
テスラ『Optimus』
大富豪のイーロン・マスク氏が設立し、CEOも務める電気自動車メーカーのテスラはTesla Bot、通称Optimusを2022年に初公開した。Optimusの用途としては、テスラの工場で人間の代わりに労働させることが想定されているが、将来的には家庭で家事などをこなすお手伝いロボットとして利用することも考えられている。
2023年の暮れには、第2世代となってかなり見栄えが良くなった「Optimus Gen 2」に開発が移っている。ただ、第2世代とはいっても、Optimusはまだ実用化には至っていない。
Optimusは、テスラが開発する自動運転技術であるFSD(Full Self-Driving)のソフトウェアを活用し、周囲の環境認識と意思決定能力を必要とする複雑なタスクを実行できるように設計が行われているという。
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