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息子の3年の不登校で外科医が転職を決断した訳 レール上を歩いてきた父親が"正論"を手放すまで

東洋経済オンライン / 2024年11月13日 11時0分

そんな中、大澤さんは積極的に講座に参加する数少ないお父さんのひとりでした。上記のような夫婦のパターンをお話しすると、

「そうなんですか。僕はとてもじゃないけど息子のことを放っておけなかったです。『仕事があるからあとはよろしく』なんて気持ちにはなれなかった。むしろ、妻以上に僕のほうが気にしていたかもしれません。性格なのかな」

「夫婦で話し合いながらここまで来ましたが、妻とはけんかもしましたよ。妻から『あなたは子どもの言うことはよく聞くけど、私の言うことは聞いてくれない』と怒られたこともあります。子どもの話は傾聴に努めたけれど、妻とは親の立場でいっしょに考えたいので、つい正論で言い返してしまう。もっと妻の話も聞けばよかったな。今思えば、妻も本当に頑張ってくれました」

両親の心の安定は子どもの回復に大きく影響

お父さんも子どものことが不安なのです。でも、仕事にかこつけて現実に蓋をしてしまい、奥さんに正論をぶつけて事を収めようとする。奥さんが情報収集をして価値観を変えていく一方で、ご主人は同じ場所にとどまり続ける。でも、そこが分岐点なのです。自分の不安に正面から向き合えるかどうか。夫婦で同じ方向を向き子どもを支える。両親の心の安定は何よりも子どもの回復に大きく影響を与えます。

大澤さんの「とてもじゃないけど放っておけなかった」という言葉が印象的でした。怖れに負けず、勇気をもって息子さんに向き合い続けてこられたからこそ今があるのだと思います。

ラン:不登校コンサルタント、ブロガー

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