玉木氏の不倫騒動が「国民民主の躍進」に繋がる訳 「不倫しない無能より不倫する有能」ムードの背景
東洋経済オンライン / 2024年11月13日 8時30分
先日の衆議院選挙で大きく議席数を伸ばした国民民主党。11日には、玉木雄一郎代表に関する不倫報道が写真週刊誌に掲載(同日に会見を実施し、事実関係をおおむね認める)されるなど、色んな意味でニュースの中心となっています。
イメージ低下につながることもある不倫ですが、玉木氏の場合は、ネットを見る限り声援のほうが多い状況です。なぜなのでしょうか。新著『人生は心の持ち方で変えられる? 〈自己啓発文化〉の深層を解く』も話題の評論家、真鍋厚氏が解説します。
衆院選で大躍進した国民民主党に激震が走った。
玉木氏「不倫報道」も無傷?国民民主が大躍進の訳 政党優先より政策優先、卓越したバランス感覚だ
玉木雄一郎代表が「高松市観光大使」を務める元グラビアアイドルの女性と不倫関係にあることなどを一部週刊誌が伝えたためだ。同日、玉木代表は「報道された内容については、おおむね事実」と認め、家族・支持者に対する謝罪の言葉を述べた。
ただ、榛葉賀津也幹事長は、記者団に「党のために私自身が玉木氏を今は支える時だ」として代表の続投を求め、国民民主党の両院議員総会でも続投を了承した。
SNSでは「政治家としての資質が重要」の声
SNSでは、不倫は信用問題であり、政治家としての資質を問う声が上がる一方で、不倫はプライベートの問題であり、家族内で解決すべきことで、政治とは切り離して考えるべきとの論調が多い印象だ。
スキャンダルで失速せずに政策推進に努めてほしいという投稿も少なくなく、特にX(旧Twitter)上では、後述するが「玉木潰し」がトレンド入りし、応援するユーザーが目立っている。
前回の記事(玉木氏「不倫報道」も無傷? 国民民主が大躍進の訳)で筆者は、国民民主党を「ハイブリッド型のポピュリズム」であると分析したが、このような視点で見ると、今回の不倫騒動はかえってポピュリズムという運動の火に油を注ぐ結果になる可能性が高いと思われる。
まずポピュリズムには2つの定義がある。「固定的な支持基盤を超え、幅広く国民に直接訴える」タイプと、「『人民』の立場から既成政治やエリートを批判する政治運動」タイプだ(水島治郎『ポピュリズムとは何か 民主主義の敵か、改革の希望か』中公新書)。
前者の例は、最近だと2017年の希望の党や枝野フィーバーによる立憲民主党など、後者の例は、れいわ新選組、参政党、日本保守党などの台頭が該当するが、とりわけ後者のポピュリズムは抵抗勢力との闘争が燃料になりやすい。
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