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佐々木朗希のMLB移籍、大谷翔平との決定的な違い システムの問題だけではない「認められる」条件

東洋経済オンライン / 2024年11月13日 8時40分

ただし大谷翔平は、キャリア4年目、23歳のオフにポスティングでエンゼルスに移籍している。

大谷翔平の場合、2012年のドラフト時に「MLBに行くからドラフトで指名しないでほしい」と言っていたにもかかわらず、日本ハムが「強行指名した」という経緯があった。大谷は「MLBに挑戦するためには、NPBで体力、技術を身につけてからのほうが有利だ」という日本ハム球団のプレゼンテーションを受けて翻意し、入団を決めた。

だから、日本ハムは、「マイナー契約」によって少額の譲渡金しか受け取れない「25歳未満」のポスティングシステム行使をのまざるを得なかったのだ。

今回の佐々木朗希の「25歳未満」でのポスティングシステム行使は、大谷翔平の前例を下敷きにしているものと考えられる。

しかしながら、日本人選手のMLBへの移籍は、こうした「システムの問題」だけで割り切れるものではない。

「25歳になれば、誰でも認められる」わけではない

NPB球団は選手のプレー環境を整備するために毎年、多くの投資をしている。MLBに移籍するような有望選手には、コーチやトレーナー、アナリストなども特別の配慮をするし、オフには南米などのウィンターリーグに「野球留学」させることもある。医師や理学療法士などもつけて、万全の健康管理を行っている。

選手は、こうした恵まれた環境下で実力を発揮し、チームの勝利に貢献する。また多くのファンを集めることで、球団の営業にも貢献する。

ポスティングシステムは「25歳になれば、誰でも認められる」ようなものではなく、球団、指導者、チームメイト、ファンが納得できるような成績を上げて、初めて「認められる」ものだと言ってもいい。

その典型が前述のオリックス、山本由伸だ。都城高校からドラフト4位で入団した山本は、入団時から「抜群の球を投げる」という評価があったが、当初は救援投手として1軍の試合に登場し、先発に転向して圧倒的な成績を上げるエースになった。当初、背番号は「43」だったが、2020年からはエースナンバーの「18」になり、2021年から先発投手最高の栄誉である「沢村賞」を3年連続で受賞。まさに「日本ではやることが無くなって」移籍した。

年俸面でも、2023年はオリックス最高額の6.5億円に達し、球団としてもこれ以上は抱えきれない状態だった。球団も、山本自身も、そしてオリックス3連覇を目の当たりにしたファンも「納得ずくでの」ポスティング移籍だったと言えよう。

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