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実は絶品「富士そばのカレーかつ丼」誕生の背景 ある意味珍メニュー?はこんなふうに生まれた

東洋経済オンライン / 2024年11月15日 8時50分

さっそく一口いただきましょう。頬張って感じるのは、どこか懐かしく思える「カレーの中央値」とでも言うような味わい。安心感とともに「そうそう、カレーと言えばこれだよね」と妙な納得感があります。

具材で目立つのが、じゃがいも。しっかりと形を残しており、ルーだけで口当たりが平坦にならないのがうれしいところです。また、食べ進めていくと、牛肉らしき肉もあり、なかなかラッキー。

肝心のかつ部分は、かつが4切れ。「かつカレー」ではなく「かつ丼」としての側面が強いのか、衣はかなりしんなりとしています。一方で玉ねぎはシャキシャキ感がしっかりと残っており、アクセントとして十分。また、卵はしっかりめに火入れされていました。

かつ部分の味付けは甘めですが、主張が過度に強いことはなく、カレーと良い塩梅で調和しています。かつカレーでもかつ丼でもない、まさにカレーかつ丼というほかないメニューだと感じます。

脂の“暴力”を少し受け流すために、そばもいただきましょう。つゆの蓋を開けると、だしの香りがかつとカレーの風味でいっぱいになった鼻腔を洗い流してくれます。

そばはコシがしっかりしており、のど越しも良く狙い通り、口の中をさっぱりとさせてくれました。あっさりとしたそば、そしてこってりとしたカレーかつ丼のコンビネーションを楽しみつつ、あっという間に完食です。

生そばに座席シフト、演歌BGM…激動の1990年代

さて、あらためて富士そばの紹介です。公式Webサイトによると、富士そばが開業したのは1966年で、当時は「そば清」という店名でした。

1号店を渋谷に、そして続く2号店は新宿、3号店を池袋と都内の繁華街へと次々に出店していきました。その後、24時間営業も行いつつ店舗を増やしていきます。

長い歴史の中でいくつかの転機があり、その一つが平成の初期に生そばを店内で茹でるようにしたこと。以前は茹でそばをあたためて提供していたそうですが、店内で生そばを茹でるようになったことで、より高品質な商品を提供できるようになりました。

その他では、1990年代から女性客にも利用してもらおうと、座席で食事できる店舗を増やしていきました。その結果、今や店舗数が100を超える中で立ち食い形態の店舗は笹塚店のみ。当初は女性客がほとんどいなかったところから、現在は1店舗当たり2~3割程度にまで増えているそうです。

今では店内で演歌が流れているのが一般的な富士そばですが、もともと有線でラジオや音楽を流していたのを演歌に切り替えたのも、1990年代から。

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