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実は絶品「富士そばのカレーかつ丼」誕生の背景 ある意味珍メニュー?はこんなふうに生まれた

東洋経済オンライン / 2024年11月15日 8時50分

創業者の丹道夫氏が演歌の作詞を始めたことをきっかけに、店舗でも流すようにしたとか。余談ですが、2006年にはビクターエンタテインメントから『演歌魂~富士そば編~』というCDも登場しています。

そんな富士そば、きつねやたぬきといった定番に加え、同チェーンならではの「特撰富士そば(うどん)」や「肉富士そば(うどん)」、さらにはSNSで話題になるような独特なメニューも数多く提供しているのが特徴です。

開発企画広報を務める工藤寛顕さんによると、メニューのうち安定して人気があるのは「天ぷらそば(うどん)」と「紅生姜天そば(うどん)」とのこと。その他、醬油ラーメンやかつ丼も人気があり、多いときでは1日に200食ほどの注文があるそうです。

ちなみに、そばとうどんのいずれかを選べるメニューでは、そば派が7~8割、うどん派が2~3割といい、うどん派もそれなりにいることがうかがえます。

富士そばにかつカレーが(ほとんど)ないワケ

そんな中、今回のメインであるカレーかつ丼が登場したのは1995年。富士そばではメニューの企画開発で現場の裁量が大きく、このカレーかつ丼も、池袋店(当時)の店長を務めていた方の考案だといいます。

「もともとは水道橋にあった店舗の店長を務めていた方なのですが、そのときに水道橋限定でかつ丼を発売したんです。その後池袋店に異動となってからもかつ丼を販売していると、あるお客さんから『かつカレーが食べたい』と言われたそうで、そこからカレーかつ丼の開発が始まりました」(工藤さん)

なぜ「かつカレーが食べたい」という声を受けたのに「カレーかつ丼」という着地になったのか、気になるところ。

工藤さんによると、富士そばは立ち食いがルーツであることから、スピーディーに商品を提供するために基本的にかつを「揚げ置き」しています。これが「かつ丼はあるのに、かつカレーが(ほとんど)富士そばにない」ことの答えです。

つまり、揚げ置きしたかつでも、鍋で卵とじにしてあたためられるかつ丼ならおいしい状態で提供できますが、カレーの上にかつを載せるかつカレーでは、揚げ置きでは不十分だと判断し、基本的にかつカレーを提供していないのです。

だからこそ、かつカレーが食べたいという声から、かつが温かい状態で、なおかつカレーも楽しめるメニューとして「カレーかつ丼」という結末に至りました。

ちなみに現在は平らな皿で提供されるカレーかつ丼ですが、もともとはかつ丼にカレーをかけて提供していたとのこと。「それでは見た目のインパクトがないため、より洋風に見えてユニークな現在の形に変更しました」と工藤さんは振り返ります。

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