「半年で辞めてしまった仕事」も無意味ではない 大切なのは「過去」をきちんと意味づけすること
東洋経済オンライン / 2024年11月15日 15時0分
自己啓発書やビジネス書でおなじみの「何歳からでも人生はやり直せる」というフレーズは、じつは大間違い。一般社団法人プロティアン・キャリア協会代表理事の有山徹氏は、正しくは「何歳からでも人生は変化させられる」だといいます。
キャリアはいつまでも完成することない「永遠のβ版」だと説く有山氏が、これまでの豊富なキャリア相談のなかでたどりついた、正しい「過去の意味づけ」の方法とはどんなものなのでしょうか。同氏の著書『なぜ働く? 誰と働く? いつまで働く? 限られた人生で後悔ない仕事をするための20の心得』から、一部を抜粋・編集して紹介します。
「人生をやり直したい」というのは大間違い
「何歳からでも人生はやり直せる!」
こんなキャッチコピーやセリフを目にしたことがあると思います。とっても前向きで勇気が湧きますが、正しくはないと私は思います。プロティアンの理論(組織内でのステップアップよりも、自己実現や幸福追求のために、自分を変化させながら成長を目指す考え)で正しくいうなら、「何歳からでも人生は変化させられる」です。
あのとき、もっと真剣に大学を選んでいたら……。
まじめに就職活動をしていたら……。
あの人とお別れしなかったら……。
誰にだって、「こうしていたら」と振り返りたくなることの1つや2つはあるものです。でも過去を変えることはできませんから、いくら後悔しても仕方がありません。そこで「人生はやり直せる」とよく言われるのですが、過去をリセットして今から「はい! キレイさっぱり再スタート!」というのは物理的にも心理的にも不可能だと思います。
あまり良くないたとえですが、大犯罪を犯した人が心を入れ替えて「人生をやり直す」といわれて、納得できるでしょうか? これも意味合いとしてはやり直すのではなくて、これから「変わる」ということではないかと思います。人生は積み重ねです。未来が過去の続きであることからは逃れられません。
過去の「ある」をあらためて意味づける
少し話が大きくなってしまったので、仕事やキャリアに目を移してみましょう。キャリア相談でも、過去を引きずってしまっている人はたくさんいます。
「自分は営業しかしてこなかったから、他にできることがない」
「たいした実績もなく、自分よりすごい人はたくさんいる」
「小さな会社にしか勤めてこなかったので、大企業には入れない」
つい「あのときこうしていれば……」と思ってしまいそうですが、残念ながらやり直しはできません。でも心配しないでください。やり直しはできなくても、これから変化させることは十分に可能です。営業しか経験がないから営業しかできない、というのは思い込みです。
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