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ヨーグレットの製菓会社「明治から独立」での変化 丸紅グループにとって菓子製造進出の第1号案件

東洋経済オンライン / 2024年11月15日 8時50分

長野県須坂市にある、アトリオン製菓の本社(写真:アトリオン製菓提供)

いつの間にか「グミ版」が出ていたヨーグレット

前回の記事「あのヨーグレットが気づけば『グミ化』一体なぜ 多くの大人が「懐かしい!」長年の課題を攻略へ」では、「ヨーグレット」のグミ版が発売された経緯を紹介した。

【画像】丸紅から製菓会社に出向、家族で移住した若き社長

スーパーやコンビニ等の売り場の問題もあり、子供の頃に食べていても、自身に子供ができるまで疎遠になる「空白期間」が生じてしまう課題を、グミ版をもって乗り越えようという挑戦だった。

あの錠剤風のお菓子がグミ版も……というと、なんとも大きな変化だが、製造・販売する「アトリオン製菓」に目線を移すと、もうひとつ大きな変化が起きていた。元々は明治グループ内の製菓会社だった同社だが、2023年5月に丸紅へ譲渡され、社名も「明治産業」から「アトリオン製菓」に変わる……という大きな転換を経ていたのだ。

【衝撃】いつの間にかグミになってた「ヨーグレット」はこんな感じ

増加の一途を辿るM&Aだが、取材をしていると「一体どんなシナジーがあるんだろう」と疑問を感じてしまうようなケースもある。

「もしヨーグレットが、そんなゴタゴタに巻き込まれていたら嫌だな……」と、ヨーグレットを愛する子を持つ親として心配になった筆者だったが、話を聞いていくと、むしろ今回のM&Aは現場を活性化させる、ポジティブなものだったようだ。

営業を自分たちですることに…

2023年5月に明治から丸紅に譲渡され、明治産業は、丸紅の子会社「アトリオン製菓」として再出発した。同時に、ヨーグレットとハイレモンの商標権も同社に移譲された。明治の時代、両商品の製造拠点は何度か移転していたが、最終的に、国内で唯一製造を委託されていたからだ。

このときから、「明治のヨーグレット、ハイレモン」は、「アトリオン製菓のヨーグレット、ハイレモン」になった。

また、別の商品だが、ここ10年で売り上げが10倍に伸び、年間7億円を売り上げるようになった「パチパチパニック」も「アトリオン製菓のパチパチパニック」となった。こちらは、これまでは明治産業の独自ブランド「Meisan」の商品だったそうだ。

さて、こうして新たな体制となって、最初に考えなくてはならなかったのは流通ルートの開拓だ。それまではいわば下請けのポジションで、明治のトラックに商品を渡して完了というビジネスが主であった。その後は明治の営業マンが、全国に売り歩いてくれていたのだ。

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