「イボ」実は皮膚がん?受診が必要なサイン2つ【再配信】 日光を長い間浴びて、放置すると危険な状態に
東洋経済オンライン / 2024年11月15日 20時0分
一方、ウイルスが原因のイボ(ウイルス性疣贅)は、形状や、できやすい場所によってさまざまな種類がある。指先や手のひら、ひざの裏、足の裏などにできやすいのが「尋常性疣贅」、青壮年の顔面や手の甲にできやすいのが「扁平疣贅」などで、どれもヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因となって発症する。
HPVは性交渉によって感染する尖圭コンジローマや子宮頸がんなどの原因となるウイルスでもあるが、イボの原因となるHPVとはタイプが異なる。また、水イボ(伝染性軟属腫)の原因となるウイルスともまったく異なる。
ウイルス性のイボは皮膚の接触でうつるが、基本的に健康な皮膚には感染しにくい。
「アトピー性皮膚炎などで肌荒れを起こしていたり、乾燥や髭剃りなどで傷ができていたりするとウイルス感染しやすくなります。ウイルス性疣贅に効く抗ウイルス薬はないので、治療は脂漏性角化症などと同様、凍結療法が基本となります」(川端医師)
痛みやかゆみはなく、放置してもまれに自然に治る場合もあるが、多発して治るまで時間がかかることもある。
手洗いなどで感染対策を
感染予防のためには手洗いが大事で、家族間などでのタオルの共用を避けるといったことが基本になる。
ありふれたウイルスなので接触を完全に避けるのは難しいが、肌荒れに対するスキンケアを行うなどして、可能な限りイボを予防したい。
(取材・文/中寺暁子)
川端皮膚科クリニック川端康浩医師
1987年、国立佐賀医科大学(現佐賀大学医学部)卒。同年、東京大学医学部皮膚科教室入局。虎の門病院皮膚科、関東逓信病院(現・NTT東日本関東病院)、東京大学医学部附属病院分院皮膚科講師などを経て、2002年に開院。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。著書に『美肌の教科書』(データハウス)
東洋経済オンライン医療取材チーム:記者・ライター
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