尿もれ「定番トレーニング」効果が出ない人の盲点 正しい「やり方」より大切なポイントがある
東洋経済オンライン / 2024年11月16日 8時20分
くしゃみをすると「ちょろり」、重い物を持ち上げると「ちょろり」。加齢とともに悩まされることが増えてくる「尿もれ」ですが、日本大学医学部泌尿器科学系泌尿器科学分野主任教授の髙橋悟氏によれば、尿もれをはじめとした尿トラブルの対処でもっとも大切なのは、薬や手術ではなく、「セルフケア」だそうです。
一方で髙橋氏は、尿トラブルの対策としてよく知られる「骨盤底筋トレーニング」も、こだわるポイントがずれてしまうと思うような効果があがらないと指摘します。
※本稿は、髙橋氏の著書『頻尿・尿もれ自力でできるリセット法』から、一部を抜粋・編集してお届けします。
尿トラブルの対処は「セルフケア」が最大のポイント
尿トラブルの治療は、第一に「セルフケア」。次が「薬」。「手術」という方法もありますが、これは限られた場合だけだと思っていいでしょう。
本稿では、尿トラブルに対処するための、自分でできるトレーニング方法をお伝えします。この方法は、以下のような人に効果的です。
・我慢できない強い尿意が急に起こる人
・トイレが近い人
・お腹に力が入るともれる人
・前立腺の手術を受けた後に、もれるようになった男性
・排尿の後で「ジワッ」となる男性
・出産後、尿がもれるようになった女性
このトレーニングの方法は、「骨盤底筋トレーニング」といいます「え? また、骨盤底筋トレーニング?」と思われた人も多いでしょう。尿トラブルの本を見れば、必ずと言っていいほど、骨盤底筋トレーニングのやり方が載っています。また、泌尿器科にかかれば、そこでも骨盤底筋トレーニングを指導されます。
そんな"普通のトレーニング"を、今ここで改めてお伝えするのには、2つ理由があります。
① やり方が合っているのかわかりにくく、続ける意欲が低下しがちだから
② やり方にこだわりすぎて、肝心なことができていないから
ということです。
まず①についてですが、「腟、肛門、尿道を締めて、引き上げます。これをくり返します」と、骨盤底筋トレーニングのやり方は、概ねこのような感じで書かれています。
でも、筋トレやストレッチのやり方と違って、お手本となる動きが目に見えませんよね。だから、自分のやり方が合っているのか、ほかの人と同じようにできているのかわかりません。
そもそも"引き上げる"感覚が、わからないかもしれません。まして、男性にとっては、「腟を締めて、引き上げる」と言われても……という感じでしょう。「ちゃんとできている」感じがしないと、続ける気持ちになりにくいものです。続けなければ当然、効果も出ません。
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