「働く外国人」職場でモヤッとした時の付き合い方 舌打ちするベトナム人を叱ってはいけない理由
東洋経済オンライン / 2024年11月16日 16時0分
近年、日本で働く外国人が増え、職場の多様性がにわかに高まっています。それに伴い、外国人材マネジメントの問題が取り沙汰されるようになりました。外国人材と対面したとき、違いをどう克服すればいいかわからず、マネジメントにとまどう日本人上司が増えているというのです。
そこで本稿では、外国人材コンサルタントとしてグローバル企業から中小企業、地方自治体まで、全国に多数のクライアントを抱える千葉祐大氏の新著『今日も異文化の壁と闘ってます』から一部を抜粋し、異文化コミュニケーションの理論から実践まで、現場事例を交えてお伝えします。
初対面の外国人、何で判断する?
異文化の相手とコミュニケーションを取るときは、「文化の氷山モデル」と呼ばれる考え方をベースにしてください。氷山って海に浮かんでいるデカい氷のことですが、あの形状が異文化コミュニケーションを説明するのにうってつけなんです。
【イラストで見る】アメリカの文化人類学者エドワード・ホールが提唱した「文化の氷山モデル」
なぜって、氷山は水面下のほうが容積が大きいですよね。そこがミソです。まず、この話の前提となる質問をします。
初めて会った相手を見定めるとき、あなたは何を判断材料にしていますか? 好き嫌いや善悪の判断につながっているのは、どんな点でしょうか? おそらく、相手の「言葉」や「態度」で判断することが多いのではないでしょうか。
「彼女はずっとニコニコしているから、心がやさしい人に違いない」「彼はいちいち反論してくるから、けっこう面倒くさい性格なんだろうな」といった感じです。
でも、これはなにも特別なことじゃありません。たぶん世界中の多くの人が、同じ考え方だと思います。
ただ、目に見えている言動や態度だけで、相手を評価するのは間違いのモトです。どんな人でも、「価値観」「生活習慣」「信仰」といった要素を内面に秘めているからです。
こういった点がわからないと、相手を正しく評価することはできません。特に異文化の相手は、こうした要素が自分たちとずいぶん違っているので注意が必要です。
このさまを氷山になぞらえたのが、アメリカの文化人類学者エドワード・ホールが提唱した「文化の氷山モデル」です。水面上の部分が「言葉」や「態度」、水面下の部分が「価値観」「生活習慣」「信仰」といった要素になります。割合としては、目に見えない後者のほうが断然大きいです。
「氷山の形状が異文化コミュニケーションを説明するのにうってつけ」と言ったのは、ここに理由があります。
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