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赤羽から徒歩10分「嘘のように静かな街」の実態 2色の水門に住民が吸い寄せられる「岩淵」の魅力

東洋経済オンライン / 2024年11月16日 9時20分

東京都北区の端、荒川沿いの街・岩淵町。最寄り駅は東京メトロ南北線・赤羽岩淵駅で、赤羽駅からも徒歩県内だが、歴史ある静かな街だ。写真は、岩淵水門のひとつである「赤水門」(筆者撮影)

建築会社や不動産会社などが毎年発表する「住みたい街ランキング」。トップテンの顔ぶれを眺めると、常連の吉祥寺や恵比寿、新宿、目黒、最近だと北千住や大宮なんかも人気だ。しかし、どれも「まぁそうだろうな」と思えるような街ばかり。

この連載では、住みたい街ランキングにはなかなか登場しないけれど、住み心地は抜群と思われる街をターゲットに定め、そこを実際に歩き、住む人の声と、各種データを集めてリポート。そして、定番の「住みたい街」にはない、「住むと、ちょっといい街」の魅力を掘り起こしていく。

今回訪れた岩淵町は、東京都北区の端、荒川沿いの街だ。川を渡れば埼玉県川口市である。中心を旧道が通る歴史の深い街だ。

歓楽街の赤羽まですぐだけど静まりかえった街

筆者は九州の片田舎の出身だ。上京する前は、「東京とは、どこもかしこも新しくてピカピカした街なのだろう」と考えていた。

【画像16枚】静かで住みやすい街・岩淵は”住むとちょっといい街”だ

当たり前だけれど、間違いだった。どんな土地にも歴史がある。

今回散策した岩淵町は、かつての宿場町だ。江戸時代に徳川将軍が日光東照宮に参拝する際に利用した、日光御成道の第一の宿場「岩淵宿」があった。

【画像16枚】静かで住みやすい街・岩淵は”住むとちょっといい街”だ

街の中心部を志茂旧道が通っている。道沿いには神社や寺が点在する。

旧道の中程、少し外れたところにある岩淵八雲神社(北区岩淵町22−21)は、創建年代は不明だが、江戸時代には日光御成道の岩淵宿鎮守として崇敬を集めていた。水害の多かった荒川が近いため、境内には水神社を祀っている。

最寄り駅は東京メトロ南北線・赤羽岩淵駅

岩淵町の最寄り駅は東京メトロ南北線の赤羽岩淵駅である。駅名からわかる通り、歓楽街の赤羽が近い。それなのに、岩淵町は嘘のように静かな街である。

旧道沿いに、古民家をリノベーションしたカフェ「R-CAFE(北区岩淵町15-8)」を見つけた。すごく気になる店構えだ。迷わずおじゃまする。

店主の遠藤加奈さんに街の魅力について聞いてみた。

「ここは、とても住みやすい町ですよ。ご年配の方も多いけど、若いファミリー層もたくさんいらっしゃいます。うちもお子さん連れで来店するお客さんが少なくありません」

カフェの隣は、遠藤さんのパートナーが営む「BICYCLE STUDIO R-FACTORY」。おしゃれな自転車工房だ。ここから北に400mほど行けば荒川の土手にぶつかる。土手の上には通称「荒川サイクリングロード」が通っている。愛好家の間では知られたツーリングコースだ。

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