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京浜東北線を運休「大井町駅工事」は何が目的か 大規模再開発の「玄関口」整備へホームを拡幅

東洋経済オンライン / 2024年11月16日 6時30分

工事に先駆け、拡幅する部分に当たる3両分のホームドアは8月中旬に撤去。9月下旬以降は線路の移設に備えてバラスト(砕石)を袋詰めしたものに置き換えるなどの準備を進めてきた。ホームはまず仮の状態で拡幅し、その後本設の形にするため、ホームドアの再設置は2025年8月ごろとなる予定だ。

電車の運休を伴う線路の切り換え工事は、高輪ゲートウェイ駅開業に向けた2019年11月の品川駅や、2021年10月・2023年11月の渋谷駅など、秋に行うケースが多くみられる。今回の大井町駅も11月だが、JR東日本によると「とくにその時期(秋)に合わせて行っているわけではない」。日程は、「全体の工程と、駅周辺でのイベント(がないこと)などを考慮して決めた」という。

JR東日本はホームの拡幅について、「駅周辺の開発で東口側の利用が増える見込みのため、利便性向上を図るのが目的」と説明する。利用増を見込むのは、東口駅舎が再開発地区「大井町トラックス」の玄関口になるためだ。

再開発に合わせ、東口駅舎は人工地盤を広げてコンコースを拡張し、大井町トラックスに直結する「広町改札」と「北口」(どちらも仮称)を開設する。ホームと駅舎を結ぶエスカレーターや階段は増設しないが、エスカレーターはすでに上り・下りとも2基ずつあるため、キャパシティは十分そうだ。

ビルや商業施設のほかに広場も

大井町トラックスのエリアは駅の北側、東口駅舎の裏手付近から東急大井町線の高架沿いにかけて広がる約2万9400平方メートルで、山手線の車両基地である東京総合車両センターにも面している。ほとんどはかつてJRの社宅があった場所だ。社宅は2014年3月までに機能を停止し、その後は期間限定のスポーツ施設や劇団四季のシアターなどの用地として使われていた。

大井町トラックスは2つの地区があり、駅寄りの「A-1地区」は主にオフィスが入居する地上23階建ての「ビジネスタワー」とホテルや賃貸住宅が入る地上26階建ての「ホテル・レジデンスタワー」の2つの高層ビルを中心に、歩行者デッキなどに面したアウトモール(屋外)型の商業施設やバスやタクシーが乗り入れ可能な交通広場などを整備する。ビジネスタワーには映画館「TOHOシネマズ」も入居予定だ。

もう1つの「A-2地区」は品川区の新庁舎予定地に面しており、区と連携して災害時の広域避難場所にもなる約4600平方メートルの広場を整備する。

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