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なんの反響もない「残念プレスリリース」の盲点 大切なのはニュースに関連する情報かどうか

東洋経済オンライン / 2024年11月18日 8時20分

あくまで「自分にとっての新記録」でいいのです。

それよりも押さえるべきは、社会的な動きと関わっているかという点です。専門家がどのような記録を達成したとしても、ニュースではありません。

ですが、記録達成の理由が社会的な動きを追い風としたものであれば、ニュースになります。

たとえば、例に挙げた「節約レシピ教室の受講者数が新記録を達成した」とします。好調の理由は「物価上昇」や「給与の伸び悩み」に関連付けることができます。そうならば、メディアは「物価高に対抗するため、節約レシピ教室が人気上昇中」といった特集を組むことができるからです。

④ 顧客への調査結果

ある程度の顧客数を持っている専門家であれば、顧客へのアンケート調査も有力なプレスリリースの材料となります。前述の「新サービス」や「購入者などの実績」同様、ニュースとして報じられているテーマに関して、顧客にアンケートを取るのです。

たとえば弁護士や税理士の場合、大規模な制度改正があった際に顧客企業に「今回の制度改正は大きな負担となっているか」「制度実施を直前に控え、社内対応は済んでいるか」などを質問できます。

あるいは料理スクールを運営している料理研究家であれば、生徒に「『こどもの日』につくりたい料理」などを聞いてみるのもよいでしょう。

起業塾を開催しているコンサルタントであれば、大企業のリストラが相次いでニュースとなっているようなタイミングで、中高年の会社員経験者に「起業を決意した瞬間」を聞くという方法もあります。

アンケート結果を発表するタイミングは極めて重要です。発表のタイミングは、そのニュースが報じられる時期に合わせなくてはなりません。ニュースに関連する情報として、メディアとしても取り上げやすいからです。

アンケート結果が取り上げられれば、調査を実施した専門家の名前も紹介されます。

「最低限の調査数」は存在しない

メディアはアンケート結果だけを紹介することもありますが、専門家としての見解を併せて聞くこともあります。そうなれば、専門家のコメントもメディアに出ることになります。

「何人に調査すれば、プレスリリースとして発表できるものになるでしょうか?」

専門家のPRをサポートする際には、このような質問をよくいただきます。実は、アンケートとしてメディアに取り上げられるのに必要な「最低限の調査数」といったものは存在しません。あえて “最低限” を言うなら、「世の中の動きを伝えるうえで信憑性がある程度」となります。感覚値としては100名程度いれば、十分成立します。

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