ハワイ「ABCストア」誕生の裏にある日系人の物語 日焼けのキティちゃんなどグッズが人気に
東洋経済オンライン / 2024年11月18日 9時0分
ハワイ旅行の情報を得ようとすると、必ずといっていいほど「ABCストア」で買える人気商品の話題が目に入る。ワイキキビーチ周辺を歩くと、数十メートルおきに現れるあのゴシックロゴの看板、ハワイ名物のコンビニエンスストアのことだ。
ドラえもんのぬいぐるみ、エコバッグのほか、日焼けしたキティちゃんのグッズなどのサンリオとのコラボ商品は今年23年目のロングラン企画だという。ABCストアは日本にルーツを持つコササファミリーがハワイで地道に築き上げてきた、小売りビジネスの成功モデルの1つ。日本人の祖父母から受け継がれた経営哲学、そして激変する経営環境への対応について、社長兼CEOのポール・コササ氏に話を聞いた。前編・後編の2回に分けてお届けする。
いくつもの「観光危機」を乗り越えてきた
ABCストアは今年創業60年。ワイキキのメインストリート・カラカウア通りの1号店から始まり、現在、ハワイを中心に、グアム、サイパン、ラスベガスにも進出し、計77店舗、従業員約2000人を擁するハワイ有数の企業になった。
【写真】ABCストアの前身や60年代の店の写真など、当時の貴重な写真の数々
コロナ禍が明けて観光産業が回復の兆しを見せるものの、円安の影響で利用客の大半を占める日本人旅行者が戻っていない。そんな中、ABCストアは新業態の飲食店事業の拡充、アメリカ本土向けの出店計画を再開させている。
経営の舵取りを担うのは、日系3世のポール・コササ氏だ。創業者の父、シドニー・コササ氏から経営権を引き継いだのは25年前のこと。観光市場をターゲットしながら、9.11アメリカ同時多発テロ、リーマン・ショック、日本の東日本大震災、そして今回のパンデミックと、数々の「観光危機」とどん底からの復活を経験してきた”サバイバー”の企業経営者でもある。
さらに、ポール氏の責任はこれだけにとどまらない。非営利団体の活動を支援するために両親が設立したコササ財団会長、ハワイ交響楽団会長のほか、セントラルパシフィック銀行、クアキニ病院の理事などを務めている。多くは、日系人や移民のために設立された団体や組織の職責が中心だ。
ビジネスの本業で得た収益の一部を日系人社会、ハワイのコミュニティーに投資して分配されるこうした「エコシステム」が、ハワイの社会インフラの重要な一端を担っているのだ。ABCストアが、地域社会との関わりを重視する背景には、家族の物語が深く関わっている。
出稼ぎ移民が始めた商店が始まり
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