将来の骨折を防ぐ「骨ケア」30~40代から必要な訳 上皇后美智子さまも10月に右大腿骨上部を骨折
東洋経済オンライン / 2024年11月18日 9時40分
骨折の原因となる骨粗鬆症は現在、国内で1590万人の患者がいるとされ、特に女性に多く見られる病気(公益財団法人骨粗鬆症財団調べ)。上皇后美智子さまが転倒し、右大腿骨の上部を骨折したニュースが10月初旬に流れたばかりだが、この骨折の原因で多いのが、骨粗鬆症だ。
女性のための整形外科医として、骨粗鬆症患者の駆け込み寺的存在となっている、ゆりクリニック(東京都港区)の矢吹有里院長に、その予防法、治療法を聞いた。
寝たきりの状態に陥ってしまう人も
骨粗鬆症の原因は、閉経による女性ホルモンの減少、カルシウム不足、運動不足などで、骨量(骨全体に含まれるカルシウムやリンなどのミネラルの量)が減少し、骨がもろくなる。
わずかな衝撃でも骨折しやすく、ひとたび背骨(腰椎)や足の付け根の骨(大腿骨近位部)が骨折すれば、立つことや歩くことができず、それをきっかけに寝たきりの状態に陥ってしまう人も少なくない。
骨密度(単位面積当たりの骨量)は20~30歳をピークとして、更年期を迎える40歳ごろまでは維持されるが、その後は女性ホルモンの低下とともに低下していく。だが、矢吹医師によると、早いうちから骨のケアをすれば、低下のスピードを食い止めることができ、骨折も予防できるという。
骨粗鬆症の最大の問題は“症状がない”こと。気づいたときにはすでに進行してしまっているケースが少なくないそうだ。矢吹医師は「残念なことに、骨折して初めて骨粗鬆症だったとわかる人がとても多い。皆さん、そうなる前に対策をとっておけばよかったと話されます」と言う。
では、骨折して後悔しないよう、やっておくことは何か。
まず大事なのは、「更年期にさしかかる30~40代のうちに『骨密度検査』を受けること」だという。
骨は古い骨を壊す「骨吸収」と、新しい骨を作る「骨形成」によって新陳代謝を繰り返している。女性ホルモンの1つ、エストロゲンはこの代謝のサイクルを正常な状態に保つ働きを持っているが、閉経後、エストロゲンの分泌量が減少すると、新陳代謝のバランスが崩れ、骨を壊すほうが勝ってしまう。
結果、新しい骨を作るほうが追いつかなくなるため、閉経を迎える50歳前後から、骨量は急激に減少し始める。閉経前後の5年間を更年期と呼ぶが、この間に骨密度は約20%減るという。
「骨密度に関しては年代別の平均値も出ていますが、女性はだれでも骨密度が減ってしまうため、平均と比較してもあまり意味がありません。
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