「父は癌で母は鬱」ゴミ屋敷の実家が片付けで激変【再配信】 几帳面な人ほどゴミを捨てられなくなる理由
東洋経済オンライン / 2024年11月18日 8時0分
父はがんで母は鬱。そして家はゴミ屋敷。そんな状況を打破するため、娘が動いた。
本連載では、さまざまな事情を抱え「ゴミ屋敷」となってしまった家に暮らす人たちの“孤独”と、片付けの先に見いだした“希望”に焦点をあてる。
ゴミ屋敷・不用品回収の専門業者「イーブイ」(大阪府)を営み、YouTube「イーブイ片付けチャンネル」で多くの事例を配信する二見文直社長が、部屋を片付けられない人の意外な性格について語った。生真面目な性格な故、ゴミを溜めてしまうことがあるのだという。
家全体が不用品の倉庫になっていた
ゴミ屋敷と化した一軒家に住んでいたのは、依頼者である50代の女性の両親だった。母は2009年に亡くなった親の介護で鬱になり、そこから家にモノやゴミがためるようになった。ゴミ屋敷になってからすでに15年近く経っているが、なぜ片付けをするに至ったのだろうか。その理由を依頼者である娘が語る。
「母のことは父が見てくれていたんですが、急に父ががんで入院したんです。それで母の鬱がさらに酷くなりました。父は病院から帰ってきても、もう2階まで上がれません。リハビリの先生からも、“1階で暮らせるように家を整えてください”と言われたので」
退院後の父が過ごす予定の部屋は、腰の高さまでモノが敷き詰められていて、その上にはゴミの入った袋も散乱している。これではベッドを置くスペースもない。入院するまで父の部屋があった2階も、モノで足の踏み場がない状態だ。収納スペースはもちろん、廊下にもモノが積み上がっている。その大半は「使っていないモノ」で占められていて、家全体が倉庫になっていると言ってもいい。
古いレコードプレーヤーが3台に、90年代のものだと思われるパソコンもホコリをかぶったまま放置されている。大きな収納家具も目立つ。収納はカラーボックスやプラスチックの衣装ケースで済ませることが主流となった昨今だが、代々続く家には体積も質量も大きい高価な家具があることが多い。「嫁入り道具」はその典型だが、邪魔になっても捨てづらいのだ。
几帳面な人ほどゴミを捨てられなくなる理由
人一倍生真面目で几帳面だった母は、そんな家具の数々を処分することなど考えられなかった。それだけではなく、親がかつて経営していた会社の古い資料も何十年分と保管している。すでに畳んだ会社だというので、不要な書類も多くあるはずだ。
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