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兵庫県知事選「石丸現象や玉木現象」との共通点 今後の各種首長選や次期参院選でも同様の動きか

東洋経済オンライン / 2024年11月19日 18時40分

(写真:時事)

全国的にも注目された知事失職に伴う兵庫県知事選は、17日投開票の結果、無所属前職の斎藤元彦氏(47)が、元同県尼崎市長稲村和美氏(52)ら無所属新人6人を破り、再選を果たした。

知事に対する不信任決議可決による「出直し選挙」での返り咲きは、2002年の長野県知事選での田中康夫知事(当時)以来という極めて異例の事態。しかも、田中氏は「脱ダム宣言」での議会との対立打開を掲げての再選だったが、斎藤氏の場合はパワハラなどの疑惑告発文書問題での失職だけに、政界や大手メディア関係者の間でも、今回の結末について「選挙戦略の根本的な“変質”」(有力アナリスト)との戸惑いが広がっている。

今回知事選では、一連の騒動で大混乱となった県政の立て直しが争点となり、結果的に県民は斎藤氏続投を選択したが、議会側はなお斎藤氏の「疑惑」を厳しく追及する構え。

事実上の圧勝で返り咲きを果たした斎藤氏は「仕事は一人ではできない。批判を真摯(しんし)に受け止め、県職員や県議会との関係を再構築して、政策を前に進めたい」と繰り返すが、今後は県政に対する信頼回復や議会との関係修復が大きな課題となるだけに、「当分、県政の混乱は収まりそうもない」(県議会関係者)のが実状だ。

「孤立無援」アピールで無党派取り込み

斎藤氏は、9月の県議会全会一致の不信任決議を受け、あえて失職を選択して再選出馬を表明。その上で、「孤立無援」となった選挙戦では、地道な街頭演説と併せてインターネットでの発信に注力し、無党派層を対象に、不信任決議への「疑義」を提起した上で、県政の改革継続や若者への支援拡充などを訴えたことが、「逆転勝利のカギ」(政治ジャーナリスト)となったとみられている。

これに対し稲村氏は「県政刷新」を掲げ、ハラスメント防止条例の制定や公益通報制度の見直しを主張。立憲民主党に加え自民党の一部県議や、同県各市町村長の大半が支援したが、陣営内の足並みの乱れもあって、斎藤氏に及ばなかった。さらに、「もう一人の有力候補」とされた前参院議員の清水貴之氏(50)は、日本維新の会を離党して無所属で出馬したが、「斎藤・稲村対決」の陰に隠れる形となって「惨敗」した。

そうした中、投票率は55.65%と、前回の41.10%から大幅に上昇したが、多くの選挙アナリストは、各メディアの出口調査の数値などから「無党派層の投票拡大によるもの」(有力アナリスト)と分析。斎藤氏が前回2021年知事選から、25万票以上を積み上げる111万票余を獲得したことについても、「その多くは無党派層への浸透の結果」(同)との見方を示している。

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