40代から考える「人生設計と住まい」ロードマップ 建築家が「賃貸でもいい」と考える"本当の理由"
東洋経済オンライン / 2024年11月20日 8時40分
50代。人生、そろそろ「B面」へ! どこに住む? どう生きる? セカンドライフを思いきり楽しむための自分本位の家づくりを多面的に紹介。実例を多数掲載!
建築家の湯山重行氏の著書『人気建築家と考える50代からの家』より一部抜粋、編集してお届けします。
人生100年時代と「住まい」
75歳まで存分に生き、そのあともここちよく暮らすためのおおまかなロードマップを考えてみた。人生のB面を楽しむなら55歳ぐらいから新しいスタートを切りたい。
そう考えると、40歳ぐらいからB面のプランニングを始め、10年ぐらいを準備期間に当てる。副業を軌道に乗せたり、老後の副収入につながる趣味を本格的に始めたりするにはいい頃合いだと思う。
生まれ故郷に戻る、あるいは移住するためにも、情報収集やお試し移住をしてみるにも十分な時間がある。
70歳を過ぎて、身体の限界を感じ始めたら、健康的に生きることを最優先とする。その後は自宅で暮らすのか、早めに施設に入るのかを家族と話し合って決めておく。
どこかのタイミングでバリアフリーの平屋を手に入れたり、都市部に近い便利な場所で、コンパクトなマンションに引っ越すのもいいだろう。
■40〜55歳:B面プランニング〜どう生きるか?何をしたいのか?を具体的にする
■50〜75歳:自由に存分に生きる〜次の天職を見つける・移住する・家を建てる など
■70歳〜:健康に不安を感じてきたら、自立して生きることを最優先に
■80歳〜:自立が難しくなったら施設も検討〜あらかじめ施設の目処は立てておく
なお、50代以降は親が要介護で施設に入ったり亡くなったりして、実家が空き家になる可能性も高くなる。
使う予定のない空き家は、なるだけ早く処分するか、業者に依頼をしてしっかり管理することをお勧めする。空き家問題を抱えていては、B面の人生を全力で謳歌できなくなるかもしれないからだ。
家の「支払い」で人生を終えない
ここ数年の物価高騰で、モデルハウスに行くと新築住宅は否応なく3000万円からという時代になった。住宅ローンを組むと、返済期間は30年を超えてしまう。
30代で購入した場合、ようやく支払いを終える頃がリタイアのタイミングだから、体が元気なうちにと、今度はバリアフリー工事が必要になって、これまた出費がかさむ。
これでは家に人生を捧げ、支配されるようなものである。日本は災害大国でもあるので、水害、風害、地震があれば補修もままならない。精神的にも負担が大きい。
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