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40代から考える「人生設計と住まい」ロードマップ 建築家が「賃貸でもいい」と考える"本当の理由"

東洋経済オンライン / 2024年11月20日 8時40分

だから、「家を持つのはちょっと先に」「人生の大部分を賃貸で」という選択肢もアリだ。

自分と家族の価値観や、健康も時の流れとともに変化する。家だってその都度、変化したほうが楽しいに決まっている。

若いうちはヤドカリのように住み替えるほうが、自分の人生にその都度、アジャストできる。日本を脱出して世界を覗きたい衝動に駆られるときだってあるだろう。そう考えると、賃貸暮らしも悪くない。

社会人になったら、とりあえずワンルームを借りて住む。パートナーが加わったら50平方メートル程度の住まいを借りる、子どもを養う必要が出たら一戸建てやファミリー向けの住まいに移る、子どもが巣立ったらまた50平方メートルぐらいの家に戻ってみる。そう考えていくと、ますます借りたほうが楽だ。

高齢になると賃貸物件を借りにくくなるという心配もあるが、既に日本の人口の3分の1は老人であるから、貸す側も高齢者はお断りと言っていられないようになるだろう。

中古住宅だって手の届く価格帯で豊富に存在しているから、リタイアメント前後に購入するのも手だ。

小さくてちょっとオシャレな中古住宅やビンテージマンションを手に入れ、家具や食器などにこだわってみる。趣味を極めてみる。そんなふうに自分のセンスで生きるのがカッコいいと思う。

まだ若い方であれば、早めに中古マンションを購入し、ちょっと住んだあとに賃貸に出すという方法もある。不動産投資に興味があり、長期的に考えて動くことができるなら、将来家を購入するときの足しになるし、住む家がない場合のセーフティネットにもなろう。

家も服のように、人生のTPOに応じて何度も着替えようではないか。

「家は小さくていい」と考える理由

日本人はみな同じような姿カタチで髪形、生き方までもが似たり寄ったりだと評されてきた。だが、この一体感があったからこそ、みなで心通わせ一緒に田んぼや漁場を守り育んできた。尊い先人たちの足跡である。

時代は過ぎ、インターネットが普及しグローバル化の波がやってきた。

さまざまな国からの訪問者、就労者、移住者が増え、今では彼ら彼女らの文化や発信する言葉、振る舞い、バックボーンを徐々に受け入れることにも慣れてきた。

ときどきハッと気付かされることもある。彼らの着眼点や観念の角度だ。

信仰であったり、戦争観をきっかけに、テレビで観ていた正義のヒーローが絶対ではなく、世の中は立ち位置によって変わるのだと。良い悪いではなく、現実を素直に受け止めて真正面から向き合い、そして分かち合うことが大切だと。

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