妻との「永遠の別れ」男性が現実を受け入れるまで 「悲しいけれど」妻のいない人生を考えていく
東洋経済オンライン / 2024年11月20日 17時0分
ここでやっかいなのは、その人たちに悪意はなく、多くの場合、悲しんでいる人を慰めたり励ましたりしようと、言葉を発していることです。
もしそのような人たちに出会ったなら、彼らの言葉をあまり正面から受けとめずに、聞いているふり、わかったふりをしてやりすごすことが賢明だと思います。
まわりの人のことを気にしすぎないようにすると、自分なりのペースで、過ごすことができるようになります。
SNSから離れることもときに大切です。よけいな情報に悩まされることが少なくなるのではないでしょうか。
(まとめ)聞いているふり、わかったふり、やりすごすことも一つの方法
「悲しいけれどもういない」という現実を見つめる
人によっては、死の現実を信じたくない、認めたくないという思いが強いかもしれません。
亡き人がもういないという現実を頭ではわかっていても、気持ちとして受け入れられない……。
現実を考えないようにしながら過ごしている人もいます。
このような心理状態は、無意識的に起こる防衛反応の一つで、受け入れがたい現実に押しつぶされそうな心を守る緩衝材として働くと考えられています。
「妻はまだ病院に入院していると思うことにしているんだよ」と話してくれたのは、長い闘病の末に妻を亡くした60代の男性でした。
「今はそうしないとさみしくて。死を受け入れられていないということなのかもしれないけど、今はそう思うことでなんとか生きているって感じかな」
少しつらそうに気持ちを打ち明けてくれました。
周囲の人から、「あきらめるしかない」「受け入れるしかない」といった現実を突きつける言葉を投げかけられることがあります。
大切な人の死を受けとめきれず、苦しんでいる状況では、こうした言葉はあまり心に響かないこともあります。
とはいえ、すぐには難しいとしても、少しずつ目の前の現実を受けとめていかなくてはなりません。
もちろん、つらい現実を認めることはなかなかできることではありません。長い時間が必要であったり、何年たっても認められなかったりする可能性もあります。
死という絶対的な力の前に人間は為すすべなく、無力であるといわざるをえません。
私たちはもはやその現実を覆すことはできないのです。
いくら渇望しても、亡き人は戻ってきません。
しかし、死の現実を変えることはできないとしても、その死をどう受けとめ、その後の人生をどのように生きていくかは、自分で選び取ることができるのではないでしょうか。
妻のいない人生を考えていく
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