若手社員が突然退職、不条理を解き明かす"カギ" すぐ辞める社員に多い3つのパターンとは
東洋経済オンライン / 2024年11月20日 15時0分
「若手社員が突然離職してしまった」という話を聞くことは少なくありません。上司からすれば「理解できない」と思うでしょう。リンクアンドモチベーション フェローの小栗隆志氏は、若手の早期離職が起きる背景には、働く人が持つ「2つの人格」が関係している、と言います。
本記事では小栗氏の著書『Z世代の社員マネジメント 深層心理を捉えて心離れを抑止するメソドロジー』を再編集し、「若手社員の離職を防ぐにあたり前提となる考え方」についてお伝えします。
若手社員の「突然の退職劇」に絶句
新任マネジャーのAが、3年目の若手社員Bとキャリア面談をしていたときのこと。
【図解】上司からの頼まれごとに心の中では「嫌だけど仕方ない」と思っていても、「はい、頑張ります!」と答えてしまう様子
「自分がこの会社でもっと成長するためには何が必要ですか?」と聞いてくるB。表情は真剣そのものだ。仕事に前向きで、成長意欲が旺盛なBを見て、Aはうれしくなると同時に、あらためて上司としての責任を感じた。
「Bの成長をサポートしたい」という一心で、自らの経験を交えながら、できる限りのアドバイスをした。
「本当にありがとうございました。いただいたアドバイスを活かして頑張ります!絶対に第1クォーターの売上目標を達成しましょうね!」と言い、Bは軽やかな足取りで自席へと戻っていった。
このキャリア面談からわずか2週間後、AはBの口から信じられない言葉を聞くことになる。
「次の会社が決まったので、来月末で退職させてください」
「来月は有休を消化しますが、今月末まではちゃんと働きます」
青天の霹靂とはこのことだ。つい2週間前、あんなに前向きだったBと同じ人物とは思えない。Aは、マネジャーとして何が正しいのかわからなくなり、他の部下のことも信じられなくなった……。
Aのように、若手社員の「突然の退職劇」に絶句するマネジャーは少なくない。今どきの若手社員の離職を防ぎ、定着を図るにはどうすれば良いのだろうか。
働く人は「2つの人格」を持っている
アメリカの経営学者であるチェスター・バーナードは、組織に所属する人間には「個人人格」と「組織人格」の2つの人格があると唱えている。
「個人人格」とは、自由な意志や動機に基づいて、何にどのくらいの時間や労力を割くかを決めている人格である。
人間には職業選択の自由があり、どこで、どのような仕事をするかを自由に決めることができるが、それは「個人人格」としての自分が決めている。今日も会社に行くことを決めたのは「個人人格」であるし、嫌いな上司の指示に従うことを決めたのも「個人人格」である。
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