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心配でつい口に「子どものやる気そぐ」NGな言葉 受験期は親子のコミュニケーションが重要に

東洋経済オンライン / 2024年11月21日 16時0分

さらに、今年度からは新しい科目である「情報」の追加、数学では出題範囲が数学Cまで拡大、国語と数学では問題数が増加するため試験時間が10分増となるなど、新課程の入試では受験生の負担がさらに大きくなっています。

それに伴い、早期からの受験対策が必須になっているため、学校や塾でも「もっと頑張れ」「こんな成績では志望校は厳しいぞ」とプレッシャーをかけられる機会も増えています。

そうでなくとも、自分と他人を比べてしまうのは人の常なので、子どもは受験の競争の中で常に葛藤を抱えています。頑張っているのに偏差値や模試の判定でいい結果が出ずに焦ったり、周りの子が成績を伸ばしているのを見て不安に駆られたりと、子どもの心は常に不安定な状態なのです。

そのため、親が「もっと勉強しろ」と声をかけてしまうと、ストレスが増えるだけになります。学校や塾で競争にさらされ、家だけが安らげる場所であるはずなのに、その家庭が落ち着いていないと、子どもの心が休まるところがなくなってしまうのです。

せめて親だけでも子どもの頑張りを認めてあげないと、受験本番までとても気持ちが持たないでしょう。仮にそんな状態で合格したとしても、入学後に「もう勉強なんてしたくない」と燃え尽きてしまい、その後の人生に影響を及ぼす可能性もあります。

同じ意味で、きょうだいや周りの子との比較も避けるべきです。周りで上手くいったケースが、その子にも同じように当てはまるとは限りません。「上の子はもっと頑張っていた」「お友達の子はこんなに成績を上げている」というのは、本人の努力を無視した言葉です。努力を促すようなつもりで言ったとしても、子どもにとっては余計なお世話でしかありません。

では、親としてはどのように子どもに接するのが理想かというと、私は「結果なんてどっちでもいい」というスタンスがいちばんだと思っています。「もっと勉強しろ」と言いたくなるのも、受験で成功していい人生を歩んでほしいという願いからなのはわかります。

ですが、子どもの努力そのものを本当に認めてあげられるのは、いちばんそばにいる親しかいません。周りの大人たちは結果でしか評価しないため、親までが受験の結果にこだわってしまうと、子どもの味方がいなくなってしまうのです。

受験は運の要素もある

受験には運の要素が排除しきれないため、志望校に合格できるかどうかは蓋を開けてみるまでわかりません。残酷なことではありますが、どれだけ努力したところで100%成功する保証はないのです。

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