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心配でつい口に「子どものやる気そぐ」NGな言葉 受験期は親子のコミュニケーションが重要に

東洋経済オンライン / 2024年11月21日 16時0分

だからこそ、親ができることは「結果はどうあれ、ここまで努力したことが立派だと思うよ」「受験を通じて成長を見てとれたことが親として嬉しい」と言ってあげることが、いちばんの薬になるのではないでしょうか。

もちろん、傍から見ていて口出ししたくなるタイミングもあるでしょう。試験が近いのにスマホを触っていたりゲームをしていたりする姿を見ると「本当に大丈夫かな?」と心配になる気持ちもわかります。

ただ、思春期の子どもは親が見ているところで努力している姿を見せたくないこともあります。たいてい、見えないところでやっているものです。むしろ、家にいる間もずっと一心不乱に机にかじりついているほうが心配です。心を休める場所と時間がないと、いずれパンクしてしまうでしょう。

私が家庭教師として生徒に接するときも、余計な不安やプレッシャーを取り除いてあげられるように、前向きな言葉をかけるようにしています。もちろん、生徒が現実を無視して、あまりに楽観的すぎる場合は注意することもありますが、できるかぎり落ち着いた気持ちで受験に向かえるように、基本的にはポジティブな声かけをしていきます。

ただ、その時間でどれだけ生徒のやる気や自信を引き出しても、親から「もっと勉強しろ」というようなネガティブな声かけをされたら、すべてが台無しになってしまいます。

家庭教師として生徒に接する時間はたいてい週に数時間程度なので、当然ながら親が子どもに接する時間のほうが圧倒的に長く、そこでのコミュニケーションが与える影響のほうが大きいからです。普段は不摂生をしながら、健康診断の前日だけきちんとした食事や運動をしても意味がないのと同じようなものです。 

ポジティブな声かけが大切

そのため、私は特に受験期が近づいてくると、「ご家庭でもできるだけポジティブな声かけをしたり、結果にこだわるような発言を避けるようにしてください」と改めてお願いするようにしています。

学力を引き上げるのはこちらの仕事ですが、やる気や自信を引き出してあげるのは親御さんとの共同作業なのです。

受験の成功のためには、家庭が落ち着いていることがいちばんです。「勉強しろ」と言いたくなってしまうときはグッとこらえて、ぜひ子どもの努力そのものを認めてあげるような、肯定的なコミュニケーションを意識していただければと思います。

青戸 一之:東大卒講師・ドラゴン桜noteマガジン編集長

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