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斎藤氏のSNSの使い方は「極めて真面目」だった 選挙報道しないテレビがSNSになぜ苦言?

東洋経済オンライン / 2024年11月22日 8時20分

そんな中に応援者も現れる。活動を始めたばかりの時期にReHacQに出演したことは大きかっただろう。思いの丈を2時間にわたって高橋弘樹氏に語り110万回以上再生されている。

Xの斎藤氏本人もしくは応援アカウントを追うだけで、彼が毎日街に立って活動していることがわかるし、リンクをたどれば彼の政策も理解できる。

もちろん入り口はReHacQだったり立花氏の暴露演説だったり、もっと怪しいデマまがいの投稿だったとしても、それらを経由して斎藤氏本人のアカウントにたどり着くと彼の真面目さ、実直さと政策が伝わる仕組みになっていた。今回の争点についてのアンケートに、政策と答えた人が多く、告発文書についてと答えた人は少なかった。そうなるような仕組みを斎藤氏陣営が作っていたからだ。

SNSの専門家も入っていたと聞くが、実に正統な手法を行っただけで、怪しい手練手管を駆使したわけではないのだ。何より斎藤氏が3年前から自身で投稿してきたことが大きい。

政策が見えづらかった稲村氏陣営

対する稲村氏のXアカウントは「県知事選用」なのは明らかで「稲村和美(いなむらかずみ)official」のアカウント名。スタッフが運用したとしか見えない。

さらに稲村氏の投稿からは、なかなか掲げる政策が見えてこない。noteには尼崎市時代の実績は書かれているが、県知事になってなすべきことは書いていない。11月10日のXでは政策が投稿されたが、「内部通報の検証」「公益通報の仕組み改善」「ハラスメント条例制定」「職員の新人事評価制度」など、斎藤氏がもたらした混乱の収拾が最初にある。稲村氏自身が兵庫県のために何をしたいかは、それに続いて書かれてはいるものの、斎藤退治のために立候補した意図が強く出ている。

彼女が担がれた理由が斎藤潰しなので当然だが、兵庫県のために何をしたいかは薄いのだ。

テレビがSNSを批判するのはお門違い

斎藤氏に投票した人々は、決して立花氏をはじめとするSNSで振り撒かれたデマに乗せられたわけではない。SNSを通じて斎藤氏の真面目さと改革を進めたい意志に心を動かされたのだ。もちろん稲村氏の投稿も見たはずだ。そうやって見比べて考えて判断したのだ。

これに対してテレビは、SNS中心の選挙となり斎藤氏が当選したことを、まるでおかしなことが起こったように捉えていた。SNSはデマだらけで、そんな空間から情報を得てまともな選挙と言えるのかと言いたげだった。中には「テレビは放送法で選挙を報じられない。SNSはこのままでいいのか」と規制をかけるべきと言わんばかりのキャスターもいた。だがそもそも、テレビが選挙報道を手控えるようになったから、有権者はネットから情報を得ていたのだ。本末転倒もはなはだしい発言だ。

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