紅白「旧ジャニ出演なし」に騒ぐ人の"大きな誤解" 出演しない理由についての報道の多くがピント外れ
東洋経済オンライン / 2024年11月22日 13時30分
現在は旧ジャニーズのときの経営者はいないSTARTOのタレント出演が批判されて、旧ジャニーズで要職についていた人物が社長であるTOBEのタレントの出演はOKというのはダブルスタンダードであり、合理的な説明はつかないように思う。
旧ジャニーズのタレントに限らないことだが、人気のアーティストにとって、紅白への出演は単独の収支で見ると、さほどおいしい話ではない。紅白への出演料は、民放と比べても、はるかに安いというのは、よく知られた話だ。
それでも多くのアーティストが紅白に出たがるのは、「箔がつく」からだ。「紅白に出演した」というのがブランドとなって、知名度も上がるし、その後の芸能活動にプラスの影響を及ぼす。
一方で、紅白の視聴率は年々低下しているし、以前と比べるとブランド価値はなくなってきている。また、アーティストは、メディア出演に頼らずとも、集客や配信を自分で行うことで活動を続けることが可能になっている。
紅白出演にうまみはない
昨年、紅白への出演もなくなり、恒例のカウントダウンライブも中止となったSTARTOのタレントは動画の生配信を行った。特に、人気グループの「Snow Man」は、紅白の裏で行ったYouTubeライブの同時接続数が最大133万人を超え、日本記録を更新した。
Snow Manに限らず、人気グループともなれば、紅白に出演して箔づけするよりも、自分たちでライブや配信を行うほうが自由にやれるし、収益にもなる。
紅白への出演オファーが出されていたタレント名、グループ名は公表されていないが、紅白だけに、NHK側は大御所を希望していたであろうことは想像にかたくない。
STARTOと大御所タレントとの契約は、これまでの芸能事務所との契約で一般的だったマネジメント契約ではなく、エージェント契約が主体となっているようだ。
実際、人気グループの多くはすでに自分たちで会社を設立しており、独立してビジネスを行っている。エージェントであるSTARTOは、タレントの代わりに営業活動やギャラの交渉を行い、一定の仲介手数料を受け取る形になる。
STARTO側としても、紅白は必然的に実入りの少ない案件となり、これまで以上に積極的に推すモチベーションも低いだろう。
いずれにしても、最も重要なのはタレントの意向であって、彼らが「紅白に出たい」というのであれば、STARTOが窓口になってNHKに打診するというのがエージェント契約の一般的なあり方だ。
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