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「武蔵から2浪東北大」浪人後悔した彼が叶えた夢 高校生活は充実していたものの成績は低迷

東洋経済オンライン / 2024年11月24日 7時40分

しかし、本番の数学で完答できたのはまさかのゼロ問。併願で受けた慶応義塾大学の法学部政治学科と中央大学の法学部法律学科も落ちていたため、1浪目の全落ちが確定してしまいました。

「今考えればわかるのですが、勉強量も十分じゃなかったですし、自分なりの勉強の仕方も確立してないので落ちて当然だったと思います」

武蔵高校では周りがみな大学に行く学校であったことから、宗前さんも2浪を決意しますが、しばらくは多浪することを受け入れられなかったそうです。

「1浪すればなんとかなるんじゃないかと思っていたのですが、この先大学に行ける保証はないんだなと思い、怖くなりましたね。父親は『なんでちゃんとやらねえんだ!』と激怒して、10万円だけ渡されて、これで(この年の受験は)なんとかしろと言われたのは覚えています」

幸い、後から意外と同級生も2浪していたことが判明し、少しホッとした宗前さん。2浪している小学校の同級生が、下宿しながら熱心に勉強しているのを知ったこともあり、この年は所沢の実家を離れます。

深夜バイトをしながら浪人生活を過ごす

豊島園の家賃1万6000円の物件で下宿しながら、渡された10万円で代々木ゼミナールの単科コースを5クラス受講しつつ、後期から予備校の正規コースに通うために、春先〜秋の初めまでは深夜バイトをしてお金を貯めました。

「2浪目の生活の前半はほぼ宅浪みたいなものです。生活費を3万円でやりくりしながら、夜9時から朝6時まで、金曜日と日曜日にファミレスで深夜帯のバイトをしながら生活していました。休み明けの月曜日は根性で、徹夜で勉強していましたね。秋口になったらお金が貯まったので、バイトを辞めて、選抜試験を受けて代ゼミの東大文科コースに入りました」

この年も、京大を第1志望としながら、同じく法学部のカリキュラムに必修科目がなかった東北大・北海道大の法学部も視野に入れていた宗前さん。

秋に受けた北大模試で小論文が全体の3位であったことから、「去年文3系を受けておけばよかった」という後悔もあったそうですが、自分を追い込んで勉強を続けた結果、3度目の共通1次試験では東北大法学部のボーダーには50点ほど足りなかったものの、前年を100点以上上回る780点を取ることができました。

「北大の文3系を受けようかとも思ったのですが、仙台に住んでみたいと思っていたのでギリギリまで迷った末に東北大に出願しました」

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