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購買意欲を引き出したオリオンビールの成功事例 ゼブラが普通のボールペンに付けたプレミアム

東洋経済オンライン / 2024年11月26日 17時0分

「参加」という付加価値をつけることで、顧客の購買意欲を引き出したオリオンビールとゼブラの成功事例をご紹介します(写真:Momo/PIXTA)

物価高が続く昨今、消費者心理としてはいいものをなるべく安く買いたいと考えますが、企業、生産者としてはコスト高を値段に反映させたい、でも値上げで顧客離れするのは困る、と悩ましいところでしょう。そこでカギになるのが「プレミアム=付加価値」をつけること。「参加」という付加価値をつけることで、顧客の購買意欲を引き出したオリオンビールとゼブラの成功事例を、リブランディングコンサルタントの深井賢一さんの著書『売れる「値上げ」』から一部引用・再編集してご紹介します。

郷土愛に徹することでつくられる新たな関係性

ローカルに徹することを最大の武器に地元に貢献するキャンペーンに、全国から参加者が集まり、ファンを拡大している企業もあります。その一例が沖縄のオリオンビールです。

オリオンビールは1957年、まだアメリカの統治下にあった時代の沖縄で創業しました。以来、沖縄を代表する企業として地元産業・経済を牽引し、近年、「沖縄から、人を、場を、世界を、笑顔に。」という新しいミッションを打ち出し、その言葉通り全国津々浦々に、さらには海外向け限定商品を開発するなど、国境を超えたオリオンビールファンを獲得しています。それでも、企業アイデンティティは一貫して「沖縄」にあり、それはこれからも変わりません。

その一貫性は、まず商品の特徴に表れています。オリオンビールで製造される商品(ビール、チューハイなど)は、水も大麦も、原料のほとんどが沖縄産。それゆえオリオンビールは沖縄のソウルビールとして地元で愛され続け、沖縄県外の人にもコアなファンから根強い支持を得ています。地元にこだわるマインドが、地元や故郷への思いに重なり、共感を呼んでいるのです。

このオリオンビールの「沖縄愛」を象徴するもののひとつに、季節や数量を限定して発売される、「デザイン缶」の商品キャンペーンがあります。

2023年夏には、地元のプロバスケットボールチーム・琉球ゴールデンキングスがBリーグの2022―2023シーズンで優勝を果たしたことを称え、デザイン缶のビールが発売されましたが、またたく間に完売しました。

また、何より根強い人気を誇っているのが、首里城のイラストをあしらった「首里城復興支援デザイン」です。

2019年10月に火災で焼け落ちた首里城の1日も早い再建・復興を願い支援するために、2021年に数量限定で発売されて以後、2022年、2023年にも新デザインにリニューアルされて発売されています。

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