購買意欲を引き出したオリオンビールの成功事例 ゼブラが普通のボールペンに付けたプレミアム
東洋経済オンライン / 2024年11月26日 17時0分
このデザイン缶では、売上の一部が首里城復興支援活動に寄付され(2021年時は1本につき3円)、2022年には、首里城の建築資材として使われるイヌマキ(チャーギ)という樹木の植樹・育樹を実施しました。
首里城復興支援以外にも、2022年1月には、「沖縄・奄美 世界自然遺産登録記念」で、沖縄・奄美の動植物をモチーフとしたデザイン缶が発売されています。こちらも売上の一部が、沖縄・奄美の環境保全活動に活用されています。
参加する実感を得られる取り組みに
これらのデザイン缶によるキャンペーンの特典ですが、ひとつは、季節限定・数量限定の稀少なスペシャルデザインです。
主に沖縄県出身のデザイナーの手による、「~応援」「~支援」「~記念」など、それぞれのテーマが象徴的かつ印象的にデザインされた缶は、マニアやコレクターにとっては垂涎(すいぜん)ものでしょう。その缶はオリオンビールの取り組みや活動に参加した証しにもなります。
しかし実は、多くの購入者=キャンペーン参加者にとっての一番の特典は、ゴールデンキングスを応援できることだったり、首里城再建・復興支援に貢献できることだったりします。何かに貢献できることに価値を見いだす時代にシフトしているのです。
そうした活動に参加することを通して、「ちょっといいコト」をした気分になれるという充足感や満足感。それこそが、いまの時代にプレミアムと感じてもらえる特典なのです。
もうひとつ、文具メーカーのゼブラがおこなった「プレミアム」をご紹介しましょう。
さらさらとした書き味が特徴のゼブラ製ジェルインクボールペン『SARASA(サラサ)』。そのクリップに「赤い羽根」マークが付いている商品があるのをご存じでしょうか。
このマークが付いた『SARASA』(商品名:『サラサクリップ赤い羽根』)は、「中央共同募金会」と「ゼブラ」との協働で、ゼブラがユーザーに代わって、1本当たり一定額を中央共同募金会に寄付しています。
寄付金はその後、各都道府県の売上高に応じて全国の共同募金会に配分され、「地域の子供の学びを支援する事業」に活用されます。2016年2月の発売以来、累計で約2300万円が寄付されています(2024年3月末時点)。
『サラサクリップ赤い羽根』は、全国の大型文具店・ネット通販などで販売されているほか、自治体イベントや企業がお客さんに提供するノベルティとしてもよく利用されています。
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