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購買意欲を引き出したオリオンビールの成功事例 ゼブラが普通のボールペンに付けたプレミアム

東洋経済オンライン / 2024年11月26日 17時0分

ノベルティとして取引される商品は、購入ロットが大きい分、1個当たりの仕入れ価格を通常価格より割り引かれるのが常です。しかし、「社会貢献の商品である」として、営業担当者が自信をもって取引先と営業交渉できるようになります。

ひと言で言えば、この赤い羽根マークが「プレミアム」になっているのです。

本当の付加価値は何か

このプレミアムの価値は、赤い羽根マークを付けたデザインにあるのではなく、「少しだけでも社会貢献に参加できること」「ちょっといいコトをした気分になれること」にあります。

赤い羽根マークはそういう行動の証しであり、そのような気持ちをあらためて思い起こさせてくれるのです。

購入したユーザーはもちろん、ノベルティとしてもらった人にとっても、ただのボールペンより赤い羽根マークの付いたSARASAのほうが、もっていてちょっとうれしい気分になるはずです。「誰かの役に立っているボールペン」なら、大事に使おうという気持ちにもなるでしょう。

この商品を介して、売る側と買う側が、その商品の「誰かのためになっている」という価値や意義を共有し、同じ未来・目標に向かって進むパートナーの関係にもなれるのです。

ただし、オリオンビールや『サラサクリップ赤い羽根』のような、売上の一部が寄付されるプレミアムをつけたりキャンペーンを行う商品を展開する際に、忘れてはならないことがあります。それは、そのプレミアムが商談を有利に、スムーズに進めるためのものでも、バイヤーに喜んでもらうためのものでもないということです。

プレミアムをつけたりキャンペーンを行うのは、お客さんに届けるため、また参加してもらうため。そこで喜んで楽しんで笑顔になってもらうため、です。

いまはモノをプレミアムにしても、CMなどを打っても、購買動機にはつながりにくくなり、お客さんの心には届かなくなっている時代です。

そんな時代にあって、これまでのモノやCMなどに代わるのが、お客さんに参加していただいて成り立つキャンペーンやイベントであり、そんなキャンペーンやイベントを通して得られる「ナカマ・ミカタ」たちからの情報収集と情報拡散なのです。

深井 賢一:リブランディングコンサルタント

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